McLaren650S

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ガレージに次に入れる車を458にするかマクラーレンを選ぶか、大いに悩むところだ。
今回650Sに試乗し、より速く走りたい人には間違いなくマクラーレンを薦める。
3.8リッター、V8twin turbo 650PSのエンジンをミッドシップに載せたマクラーレンの最新モデル650Sは私が初めて乗った3座のマクラーレンF1に比べ格段にリファインされていた。
当時のF1はその加速は素晴らしかったが、車高が高く、ダウンフォースがなく、高速コーナーでは怖かった思い出がある。
650Sの素晴らしさは一般道を走っただけではその良さの半分も知ることはできない。
変速はアップもダウンもメルセデスやアウディに乗っているかのようにスムーズだし、普通にアクセルを踏んだだけでは高級セダンにのっているようだ。
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ところが高速でフルスロットルにすれば、頬の肉が後ろに引っ張られるような加速をしていく。ラウダやハントの時代のF1の加速はこんな感じではなかったのではなかろか。
4速、5速、6速とアクセルを全開でシフトアップしてブレーキポイントに近ずく頃には、ブレーキが壊れたり、片効きすれば確実に大事故になる速度域に達する。
そこから確実に減速するブレーキ性能も秀逸だ。
何より素晴らしいのはカーボンモノコックシャーシのみしりともしない堅牢さだ。
まるでレーシングカーに乗っているような感覚でコーナーをクリアしていく。
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適度に狭いコックピットは大きくなった他社のものに比べ新鮮で、スポーツカー本来の姿だ。
ハンドリングのクイックさは申し分ない。
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3速や4速ではいる高速コーナーではロールは油圧制御のアクティブサスペンションのおかげでほとんどロールしないまま驚くべき速度で走ることができる。
カーボン製のブレーキはフェラーリやポルシェにくらべ初期のタッチがスポンジーな感じで違和感があったが慣れてしまえば問題ない。
フットレストもペダルがセンターにオフセットしているせいと、フットレストの位置が奥にあるせいで最初は違和感があったがこれも10分ほど運転していれば慣れてしまう。
フェラーリ458のようなフルブレーキングをするとフォーミュラ1のような素早いシフトダウンを素晴らしい音とともに行ってくれるような演出はないが、間違いなく技術的にはマクラーレンの方が優れているのがわかる。
あるジャーナリストが一般道でオーバースピードでコーナーに入り、軽いカウンターをあてたという記事を読んだが、にわかに信じがたい。
この車のテールを一般道で滑らすことはまず無理だろう。
それほど650ポテンシャルは高い。
今まで1台もクラッシュした車がないというディーラーの方の話も納得できます。
レースの経験がある方か458や599などのハイパフォーマンスカーを運転していない限りこの車をそれなりに走らせることは不可能だ。
マクラーレンはレーシングカーにナンバーをつけたような車だ。
この車がガレージにあるオーナーは免許がなくならないように自制することが大変なはずだ。
とばしてこれほど痛快な車はない。
初めて40をドライブした時のような感動がある。
スポーツカーはここまできたかという驚きとはたして何人のオーナーがこのスーパースポーツのアクセルを全開で踏んでいるのだろうかと考えてしまう。
それほどこの車をとばすと異次元の速度域に達する。コーナリングスピードも高いだけにドライバーは神経を極度に集中しなければならない。
250馬力の308はアクセルでノーズの向きを変えたり、車を気楽にコントロールする楽しさがある。
今やレーシングカーとスポーツカーとの違いがだんだんなくなりつつあるように思う。

  by cavallino-cars | 2014-06-02 20:41 | Comments(0)

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