
今週日曜発のBA6便にてミラノ市内にあるロータスエスプリ300スポーツを見に行った。

世界で限定65台という希少なこのエスプリは今では売りにだされることがほとんどない。

2174CCのツインカム16バルブのエンジンはS4の264馬力に対し、38馬力アップの302馬力。
デザインはジウジアロー。

直線的なラインやフラットなフロントウインドウはエスプリならではだ。
ミラノ市内のオーナーの会社の近くにあるガレージに案内され、外にだされたエスプリのコンディションのよさはとても20年も経過しているとは思えないほどだ。

OZの3ピースホィールは4本とも写真のような傷一つない状態。

しかも中に見える300スポーツ専用の4ピストンAPレーシングのキャリパーはシルバーに光り輝く。


フロントボンネット内のフューズボックスのきれいさはこの固体が今ラインオフしたと言われれば信じてしまうほどだ。

エンジンルームやリヤトランクも新車と変わらない美しさだ。

リヤのトランクルームは当時のオプションだったクラリオンのCDチェンジャーが備わる。

外装のパールイエローは当時のオプション。写真では少しゴールドがかって見えるが、実際は鮮やかな黄色。よーく見るとメタリックであることがわかる程度。エアコンも装備される。

圧巻なのは内装の美しさだ。とても20年が経過していると思えないコンディション。
それもそのはずでこの車は1オーナー。ミラノに住まわれるオーナーは現在80歳でこの車は60歳のお祝いに妻からプレゼントされたもの。車好きもあるのだろうが、妻からの贈り物なのでその溺愛ぶりがその美しさからもみてとれる。

パワーアシスト付のバックスキンのステアリングはナルディ製。

内装はダッシュも含め、すべてアルカンタラとなる。その状態のよさは驚くばかりだ。シートはフルバケットタイプで座面のみは布製。

ドアの一部とセンターコンソールの上部も布製となる。

ルーフはポップアップ式。

シガーライター下の左右の矢印のスイッチはガソリンキャップオープナー。

左右それぞれがボタンを押すと開く。

シート下には手動のポンプが備わり、背もたれにエアーを入れることにより、よりベストなシートサポートを可能にしている。
実際にコックピットに座るとレーシーそのもの。
フルバケットのシートはサポート製もすぐれているばかりか、長時間乗っていても348コンペティチオーネのように腰がいたくなるようなこともない。

走行わずか19000kmのこの固体はロータス特有のシフトの左右の遊びもなく、実にしっかりしている。
302馬力の加速はフルスロットルにすると助手席のオーナーが身構えるほどだ。
足回りの状態は試乗した感じでは素晴らしく、オンザレールのコーナリングはロータスそのもの。
この車の車台番号は右フロントタイヤの内側のシャーシに打刻されている。

通常は泥や汚れで読みにくいものだが、ご覧のようにショーカーのように美しいままだ。

総生産台数65台の51台目のこの固体は現存するスポーツ300の中でも最も美しい1台に違いない。

当時のマニュアルはもちろん、

スポーツ300のテクニカルシートまでそろう1オーナーのこの限定車は今年の夏にはイタリアから日本に移り住むことになる。