シートのリペア

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英国から来たこのgt4のオーナーにシートが少し汚れてきたのできれいにしませんかという提案をさせていただいたところ、長く乗りたいのでお願いしますということになった。
私は基本的には張替えはしない。オリジナルの素材をそのまま使用し、リペアする。
いつもお願いするその道40年という職人さんに今回も来てもらった。
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こちらが施工前のシート。
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まずはシートセンターのアルカンタラやリクライニングのダイヤル部分などをマスキングする。
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この作業を徹底的に行うことが大切。ベロアや布に塗料がついてしまうと取り返しがつかないことになる。
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その後、300番のあらいサンドペーパーでやれた部分の塗装を落とす。板金と一緒でその後めの細かいペーパーを使用して仕上げていく。
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その間に色を合わせながら吹き付ける塗料を作っていく。下地が仕上がったら、プライマーという塗料がつきやすくなる液体をスプレー。その後、丁寧に吹き付けていく。厚く塗りすぎて塗装がだれてもいけないし、薄くムラができてもいけない。まさに職人技です。
出来上がったものがこちら。
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色褪せ部分やヒビ割れした部分がきれいになくなり、新車のような状態に蘇ったシートは実に美しい。
映像ではご理解いただけないが、触感もしっとりとしてレザーそのもの。
もちろん坐っても洋服に色がつくようなこともありません。
安く施工してくれる所もあるようですが、半年くらいすると堅くなり、ヒビ割れしてくることがあるので私はいつもお世話になっているこちらの方にしか頼みません。
こういう職人さんたちがいるからこそ40年近く経過しても信じられないようなコンディションを維持できる。
古い車を大切にする文化はここ日本でも少しずつ定着しつつある。
今からオーナーさんに納車する日が楽しみです。

  by cavallino-cars | 2014-04-29 16:02 | Comments(4)

Commented by quattro-B at 2014-04-29 21:28 x
私もいつかはシートリペアをしようと考えていますが、施工後も308特有?の匂いは残りますか。。それとも溶剤の臭いにかき消されてしまうんでしょうか?
Commented by cavallino-cars at 2014-04-30 18:30
あのレザー独特の匂いは残念ながら残りません。施工後2日ほどは塗料の臭いが残りますが、その後は気になりません。
どちらを優先するかですかね。
Commented by 青銀赤 at 2014-05-01 10:20 x
革製品のあの独特の香り、ワタシの知る範囲ではある種の魚油によるものだそうです。
ですので、少々旧車となったレザーシートなどの雰囲気を香りで演出する目的で、革の鞄やCDケースなどを置くか、または革材の端切れをどこかに隠し入れておくことで、あの革シートの香りを再現できると思います。
今回のようなリペアのあと、溶剤の臭いが消えてからは有効ですよ。
お試しあれ(笑)。
ファブリーズとかのイメージ商品、また芳香剤はこの手のクルマには似合いませんから。
Commented by cavallino-cars at 2014-05-09 17:24
参考になります。
私の友人はイタリアのサンタノベッラのポプリを入れています。
革の臭いはなくなりますが、イタリア伝統の香りで癒されます。
いずれにしても芳香剤はありえませんね。
同感です。

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