
今日イタリアのジェノバから日本にやって来た美しいGTBの日本での新しいオーナーが決まった。

1週間ほど前にご来店いただき、試乗にお誘いし、首都高を走った。
なんとオーナーは355も所有しており、私がいうキャブレターのピックアップの良さがにわかに信じられないご様子。しかし、数百メートルを走っただけでその違いは歴然、乗って初めてご納得いただけました。

アクセルを軽く踏んだだけでリニアにフロントがリフトし、アクセルオフでノーズダイブするその応答性の良さ、その特性をいかしたコーナリングはまさにスポーツカーそのもの。

コーナー手前でブレーキングしながら、4速に落とし、ノーズダイブのままクリッピングポイントに近ずく。
アクセルを少し緩めると、ノーズはスッと内側に入り、コーナー出口に車が向いた所でスロットルをオンにする。
この楽しさはエンジンを真ん中に積むミッドシップスポーツならではの醍醐味だ。

しかもステアリングから伝わってくるのは30年以上も前の車とはとても思えないほどのソリッドな感覚なのだ。特に低速での355よりもソリッドで剃刀のようなレスポンスはヨーロッパ仕様のキャブの308の真骨頂だ。

フェラーリサウンドを奏で、コーナーをスライドしながら、走ってきた車とは思えないほど、停まった姿は実にエレガントで繊細な美しさを放つ。先週の金曜日に銀座の裏道に停めてカフェに寄った時も通りがかりの何人もが写真を撮っていたほどだ。

明日から予備検査を含む整備にとりかかかる予定。ご購入いただきましてありがとうございます。
来月末には東京の道をこの美しいベルリネッタが走ることになる。