今月8日の金曜日、朝6時25分羽田発のBA8便に乗り、ロンドン経由でミラノに向かった。
目的はモデナにある89y GTBturbo と 79y 308GTB の2台のフェラーリだ。

前回見たモデナの87年の72500kmのGTBturbo は革製のフロントダッシュボードが熱でつれていた。翌週には張替える予定とのことだったので交換後にみせてもらい購入する予定だった。
しかし、3週間が過ぎても直されることはなく、そのままの状態で購入してくれないかとのオファーがきた。

エアコンの噴出し口には308用のリングがつけられており、内側の状態がわからない。つれた部分を隠すために308の大きなリングをつけたのだろう。そのままの状態で購入する気にはどうしてもなれず断念した。

今回は年式も新しく走行距離も41,500kmと少ない。

2オーナーのこの車にはオリジナルキーはもちろん、スペアキー、マニュアル、メーカーの新車時の保証書、マニュアルケース、そして万一ウインドウを交換した時にサンドブラスで車台番号を打刻するためのプラスティックのプレートまで全てが揃っている。

内外装とも申し分ないコンディションのGTBターボは久しぶりに出会った。ただ一点残念なことは当時のオプションのエアコンがついていないことだ。そのことを加味しても、こんなコンディションのGTBターボに出会うことはまずないだろう。赤のカーペットも、染みひとつない実に美しい状態だ。
総生産台数308台のうちこれほどのGTBはごくわずかしか現存しない。

その希少性からくらべれば、エアコンがついていないことは大きな問題ではない。
エアコンは日本に来てから装着することも可能だからだ。すでにコンプレッサーやブラケットは見つかっている。以前スイスから輸入した308のファイバーグラスにはエアコンがついておらず、日本に来てから装着した経験もある。

エンジンフードの熱抜きのルーバーも染みのない実にきれいな状態。

インテリアの状態はこれ以上は望めないというほど。ヒーターと噴出し口を表示する液晶パネルもすべて作動する。

ヘッドライト回りの塗装もオリジナル。

エンジンルームもクリーニングを済ませたような綺麗さだ。

あのブラックホールに吸い込まれるようなGTBターボの加速は328や348、355のオーナーは目がついていかないほどで、初めてこの車をドライブする方はアクセルを全開で踏めるようになるまでかなり時間がかかる。
ガレージに貴重なGTBターボがあるというだけでわくわくしてしまうのに、モデナからやってきたとなればなおさらだろう。
日本到着は2014年の新春。新年の最初に入港するに相応しい一台だ。