
今月納車となるF12の下取りとして真紅の458が今週入庫した。

フェラーリ伝統の90度V型8気筒の最高出力は578馬力。デビュー時には国際エンジンオブザイヤー賞でベストパフォーマンスエンジン部門と4リッター以上のベストエンジン部門で2つの賞を獲得している。

シャーシ、エンジン、サスペンション、ボディは全て総アルミ製で巨大なボディの総重量をわずか1380kgにおさえている。その加速は息をのむほどで、F1の加速はこんな感じではないかと思わせるほどのGをドライバーに与える。

床までスロットルを踏み続けるとあっという間にエンジンはふけきり、リミッターにあたるため、オプションのシフトタイミングをLED点灯で知らせるシフトフラッシャーはスポーツドライビングを楽しみたい方には必要装備だ。

ATモードでコーナー手前でフルブレーキングをするとまるでF1のようにダウンシフトを繰り返す。クリップをこえてからの全開での加速はまさにレーシングカーそのもので7速まで全開で踏み続けることは公道では不可能だろう。

2009年12月のTop Geer誌では素直でコントラーブルな操縦性を備えるというコメントがあるが、この車を首都高やワインディングでドリフトさせるようなスキルのあるドライバーはほんの一部のレーシングドライバーに限られる。

車をコントロールする喜びというより、驚愕ともいえる体感したことのない加速を楽しみたい方にはこれ以上の車は存在しない。あのF40でさえこの車の後に運転するとこんなに遅かったのかと思えるほどだ。
しかも458は低速ではメルセデスのSクラスなみの快適さも備えている。

ステアリングに埋め込まれたウインカーユニットやワイパースイッチも慣れてしまえば使い易いことこの上ない。

F1のテクノロジーが満載された458はクラシックの308とはまったく別の魅力をもつ車だ。