
今回の出張で最もドライブしてみたかったのがBrescia にあるこのファイバーグラスの308GTBだ。

ベースのファイバーグラスの308GTBをミケロットでボディをモディファイし、マフラーを交換。ステアリングラックもクイックなものに交換したという。
まずは外装のチェック。

フロントグリルはセンター部分が欠損。

フロントバンパー左右に埋め込まれているウインカーユニットもずれている。

フロントスポイラーとボディのずれも気になる。正面から見て、右のセンターラインより上のボディ部分とバンパー脇のスポイラー部分とがずれている。

リヤクオーターのガソリンキャップの隠し蓋下のモールも左右ともに欠損。オーバーフェンダーを作成する時にとったとの話だが、ミケロットがそのような作り方をするのかが疑問だ。

ウインドウモールも本来、ファイバーモデルにはゴムのウエザーモールがつかないはずだが、何故かこの固体にはついている。

内装はドアポケットは肉薄のものに作り変えてあり、ダッシュボードも張り替えてある。
ラジオがつく位置のレバーはフロントスポットライトのスイッチ。

フロントウインドウは交換されているが、新車時に貼られていた空気圧を示すステッカーは貼りなおされていた。オーナーはこれが新車時からついているオリジナルと言っていたが、貼りなおしたことは明白。本来はもう少しピラーよりに貼られている。
まぁ通常ですと、これで帰るところですが、そのドライブフィールを確かめたく、試乗をさせてもらうことに。

マフラーはエンジンをかけ始めはパンパンとバックファイアーが凄い。オリジナルマフラーよりはるかに大きなサウンドを発する。エンジンが温まれば、この音も消え、スムーズになるとのこと。

早速ブレシアの街に飛びだす。ステアリングラックを交換しているわりには驚くほどのクイックさは感じられない。エンジンはノーマルだが、その排気音の大きさゆえか、気持ちノーマルよりもレスポンスがいいような気がする程度。
水温、油温とも正常になってもバックファイアは鳴り止まず、残念ながら期待していたレスポンスではなかった。現地価格で975万円。本来の調子ではなかったのかもしれないが、これなら私は間違いなくノーマルの308をチョイスする。
実際にグループ4にエントリーする車両は20万から30万ユーロほどで売られている。価格もこの固体の倍以上もするので、形だけで満足する方にはこの車はいいかもしれないが、所詮フェークにすぎない。
いつかエンジン、ブレーキ等、すべてをレース用にした本物のグループ4の308 に乗ってみたい。