あぁ、やはりこの時代のフェラーリはいい!!



ドアのラインの上の部分にうすく蜘蛛の巣状にひびが入っているのが確認できますか?
コンテナに積み込む際に体重をかけてしまったり、道具をあててしまったにちがいない。
実際にコンテナから出すために車に乗り込む時はドアも開けられる隙間がなく、窓から体を滑らせるように運転席に潜り込んだほどだ。



フロント部分はオリジナルのラッカー塗装をすべて剝き、ファイバー樹脂を塗り、ファイバーそのものの強度を強める。その後スプレーパテをいれ、丁寧に面とラインをだしていく。新車当時の仕上げと同じ方法で最後にサフェーサーで仕上げていく工程を見ていると当時の職人がいかに苦労してこの車を作っていたかが伺われる。



ラインから下の部分がきれいに研ぎこまれているのがわかりますか?
へこんだ所だけが黒く残る。それがなくなるまで何度も、何度も繰り返し、丁寧にとぎながらフラットなラインをだしていく。
この作業は熟練した者にしかできない。
当時のフェラーリの美しいラインはすべてこうした手作業で作り出されているのだ。

クラシックと呼ばれる車の美しさの秘密はここにある。
こういう仕事こそやりがいを感じてしまうにちがいない。
研いだ粉だらけになりながら作業を行う工場長の満足そうな顔はイタリアの職人の仕事に敬意を払っているようにも見えた。
当時のものだけがもつ美しさはこうした見えない職人の気の遠くなるような工程の積み重ねによるのだろう。

by cavallino-cars | 2013-05-29 21:09 | Comments(2)

コメント有難うございます。
クラシックな308には美術品のような美しさがあります。
見れば見るほど、触れれば触れるほど、よさがわかってきます。
クラシックフェラーリのある生活もいいですよ。