あぁ、やはりこの時代のフェラーリはいい!!

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スイスから譲り受けたファイバーボディが輸送中に左右ピラーと左ドアの部分に写真のようなクラックが入ってしまった。
ドアのラインの上の部分にうすく蜘蛛の巣状にひびが入っているのが確認できますか?
コンテナに積み込む際に体重をかけてしまったり、道具をあててしまったにちがいない。
実際にコンテナから出すために車に乗り込む時はドアも開けられる隙間がなく、窓から体を滑らせるように運転席に潜り込んだほどだ。

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リヤのスイスのナンバーの穴埋め作業と一緒にその部分と左右リヤフェンダーの変色部分も補修することにした。
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今現在、For sale のファイバーグラスでもっとも走行距離の少ないものがこの車。シルバーという色も気に入っている。
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どうせなら誰もが羨むような1台にしたい。

フロント部分はオリジナルのラッカー塗装をすべて剝き、ファイバー樹脂を塗り、ファイバーそのものの強度を強める。その後スプレーパテをいれ、丁寧に面とラインをだしていく。新車当時の仕上げと同じ方法で最後にサフェーサーで仕上げていく工程を見ていると当時の職人がいかに苦労してこの車を作っていたかが伺われる。

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このフロントのコーナーのラインの何と美しいことか。
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458とくらべると最新のフェラーリのラインがもっさり見えてしまう。

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パテの上に黒いスプレーを軽くかけ、細かいペーパーでといでいく。
ラインから下の部分がきれいに研ぎこまれているのがわかりますか?
へこんだ所だけが黒く残る。それがなくなるまで何度も、何度も繰り返し、丁寧にとぎながらフラットなラインをだしていく。
この作業は熟練した者にしかできない。
当時のフェラーリの美しいラインはすべてこうした手作業で作り出されているのだ。

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今の458のようなプレスで作られたボディパネルをはめ込んで作る車作りとは基本的に異なる。
クラシックと呼ばれる車の美しさの秘密はここにある。

こういう仕事こそやりがいを感じてしまうにちがいない。
研いだ粉だらけになりながら作業を行う工場長の満足そうな顔はイタリアの職人の仕事に敬意を払っているようにも見えた。
当時のものだけがもつ美しさはこうした見えない職人の気の遠くなるような工程の積み重ねによるのだろう。

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塗装作業が終了する2週間後にはマラネロの工場の門をくぐった36年前にタイムスリップしたような美しさを取り戻すに違いない。

  by cavallino-cars | 2013-05-29 21:09 | Comments(2)

Commented by ナナ at 2013-05-31 11:23 x
いつも楽しみにしています。昨年あたりから308の魅力にはまりいつかはと思っている355乗りです。ファイバーグラスは万が一の際に修理ができるのだろうかと思っていましたが、このような技術をお持ちの方が日本にもいるのだなと感嘆しました。
Commented by cavallino-cars at 2013-06-04 00:12
ナナさん
コメント有難うございます。
クラシックな308には美術品のような美しさがあります。
見れば見るほど、触れれば触れるほど、よさがわかってきます。
クラシックフェラーリのある生活もいいですよ。

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