里帰りする2台のFerrari

先週米国から20年近く前に輸入された2台のFerrari を再びアメリカに輸出することになった。

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1台は72yDino246gts, daytonaシートのつくUSモデル。
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10年近く都内のガレージに眠っていた車だ。
引き取り時にはキャブに腐敗したガソリンがつまり、エンジンがかからなかった。
ブレーキも貼り付き、ブレーキマスターを交換し、キャリパーをオーバーホール、キャブもばらして清掃して、走行可能状態にして船に載せる。
この固体には珍しくオリジナルのエアコンがついていた。
日本国内で販売するには外装のレストア及び機関系すべての点検が必要。ヨーロッパ仕様ならば、覚悟を決めて新車のようにするところだが、米国仕様のため、断念して輸出することにした。

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もう1台は私の最も好きな12気筒Ferrari 365GTB4Daytonaだ。
こちらは入庫した時は片バンクしか動かず、まともに走らない状態だった。

原因はイグニッションコイルの不良。エンジンのスラッジや錆びがひどく、コンプレッションも各気筒ごとにばらつきがあったため、カムカバーを開けて整備。

バルブのあたりを修正し、タペットクリアランス、バルブクリアランスを調整。スピードメーターや水温計なども動かなかったため、それらも修理。
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クラッチも新しいものを組み込んでとりあえずきちんと動くようにしたが、何と言っても操作系が重い。

daytonaから308に乗り換えると、308がまさにライトウエイトに思えてしまうほどすべての操作系が軽く感じるほどだ。
テスタロッサと328の比ではありません。

Ferrari の12気筒の排気音は他のどの車より美しく、魅力的なサウンドを奏でるが、車庫入れや縦列駐車のハンドルの重さやクラッチを含む、操作系の重さは気軽に乗る気にはなれない。

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アメリカ仕様とヨーロッパ仕様のパワーの差は私の知るかぎり、それほど違いは感じられない。しかし、スポーツカーとしての魅力は個人的には308が優り、あの身がとろけるような甘美なサウンドとどこまでも続く息の長い加速との代償に3000万円近い金額を払ってdaytonaをガレージに置く気持ちに今はまだなれない。

アメリカでのこの2台の人気は絶大で、現地価格はかなり高額のようだ。
コンディションにもよるのだろうが、日本の価格はレストア費用をかけてもかなりリーズナブルなのだろう。
月末には同じコンテナに載せられて故郷に戻っていく。

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私は308に魅せられて4年近くなる。

その魅力はiいまだ色褪せることなく、12気筒のどのモデルより fun to drive な best Ferrari だ。

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当分308熱は醒めそうにはない。

  by cavallino-cars | 2013-02-15 18:45 | Comments(0)

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