嫌な予感

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昨日、英国で76年の30,000マイル(48,000km)の308GTB ファイバーグラスが100,000ポンドで売れた。日本円にして1450万円。他にも2月ほど広告にでていた53,000マイルの同じ308のファイバーグラスが65,000ポンド、日本円にして960万円で4日ほど前に売れている。ともに右ハンドルのヨーロッパ仕様の2台だ。

ここ半年ほどで308の価格はgt4も含め、3割ほど上昇している。英国ではコンディションのよいgt4を見つけるのは極めて難しく、英国から弊社のホームページをみて問合せが増えているほどだ。

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246もイタリアでの価格は半年前に比べ5万ユーロほど上昇。15万ユーロから20万ユーロのプライスがつく。平均の18万ユーロとしても2300万円近い。

車本来の価値とは裏腹に投機の対象になってきているように思えてならない。

クラシックフェラーリはその美しさに加え、ソリッドなエンジンレスポンスや素晴らしいハンドリングなど運転する楽しさに溢れている。

それが美術品のようになってしまっては、なかなか気軽に運転することも出来なくなってしまう。
250LM などは今や10億円を下らない。そんな車を本気で飛ばすきには到底なれない。

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資産としての価値があがることはオーナーにとっては嬉しい限りだが、これから購入しようとする本当に車を愛する者にとってはその価格が大きな障害となる。

ヨーロッパではクラシックカーは一度価格が上昇すると下がらないので銀行が購入を薦めている。
車を愛する方にフェラーリのよさを分かっていただくべく、始めた308の輸入だが、もはやコンディションのよいものはgt4でさえ700万円以下で提供することは急激な円安も影響して不可能になってしまった。

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3年前に英国から輸入したファイバーグラスの308を690万円で販売できた頃が嘘のようだ。

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あの頃は程度のよい308が必ず何台かあり、そのなかから選ぶことが出来た。
しかもヨーロッパ本国よりも英国の方が価格が安く、良いものがあった。
ところが今やイタリアよりも高額で売買されるようになってしまった。

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売りにだされている308はコンディションのよいものは非常にまれで、、幸運に巡り合えてもすぐに決めないと買うことさえ出来ない状況に変化してきている。

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日本全体のことを考えると円安は歓迎すべきことなのだろうが、価格で3割アップ、為替で3割アップの現実は愛好家には厳しい世の中になってきてしまった。

  by cavallino-cars | 2013-02-14 11:35 | Comments(0)

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