76y Ferrari 308GTB fiberglass

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ファイバーグラスの308の魅力は何だろう。
スチールボディに比べ、エンジンフードを持ち上げるとその軽さは歴然で、ドアを開けてもスチールとの違いはすぐにわかるほどだ。
重量にして200kg近くは軽いはずだが、実際にスチールボディの308と乗り比べてもファイバーグラスのものが明らかに軽い印象はない。

動力性能の差はほとんどないといっても過言ではないだろう。

それではなぜファイバーグラスにこだわるのか。
個人的な見解だが、それは細かいデザインの違いにつきる。

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まずはリヤバンパーの左右に埋め込まれたクロームメッキで縁どられたバックライトにイエロー一色のシグナルライトだ。
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バックライトがシグナルライトに埋め込まれ、バンパーが黒一色になったスチールボディはそれだけで見ると美しいのだが、見比べてしまうとなんとなく味気ない。

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写真はドイツで売りにだされている74000kmのファイバーグラス。価格は€88900、日本円だとおおよそ889万円。日本に輸入してナンバーを取得する状態にすると1100万ほどになる。
ファイバーボディのリヤパネルは本来ナンバープレートのくぼみがない。おそらくこの固体はバックパネルをスチールのものに交換したのだろう。以前ローマでも同様のファイバーグラスの308を見たことがある。
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この308はエンジンをオーバーホールして280馬力にパワーアップしているそうだが、オリジナルの255PSのままで本来のバンパーがついていた方がよほど価値がある。オリジナルのシングルサイレンサーであれば言うことはない。いかにエンジンが調子よくてもオリジナルでない車は買う気にはなれない。

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メーター回りも同様で、ファイバーグラスの積算計の数字は細く、後期型より繊細だ。速度を表す数字やエンジン回転数の数字はダブルレターが使用される。
そのどれもが今の車にはないもので、見れば見るほど愛着がわいてくる。

手作りのよさに溢れているのだ。

生産コストを度外視したデザイナーの意図したままの車。
328まで引き継がれるV8 ferrari のスタイリングの原点がファイバーグラスの308だ。
総生産台数わずか721台。
オリジナルのコンディションを保ち、残っているものは何台あるのだろう。

その美しさは時代を超えて輝きを放つ。

  by cavallino-cars | 2012-08-27 17:00 | Comments(0)

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