Lamborghini Countach

当時はテスタロッサがもてはやされ、誰もがその12気筒の素晴らしさを絶賛していた。
私はブレーキの効きの悪さやその運動性能の低さにがっかりしていた。
その頃一度くらいはランボルギーニも乗ってみようと購入したのがこの5000クアトロバルボーレ。
アクセルレスポンスはテスタロッサとは比べられないほどでまるでオートバイに乗っているようだった。
初めてコーナーに入った時はGでワイパーについたウォッシャーノズルからだらだらとウォッシャー液がフロントウインドウを流れるのに驚いた。
ストレートに入り、アクセルを全開にするとワイパーアームがバタバタと揺れ始めるといった具合でプロトタイプのようなことがおこるのだ。
しかし運転自体は楽しかった思い出がある。
コーナリング中にアクセルを少しだけ戻すとノーズはリニアにタックインし、車体は一気に向きを変える。
シートポジションが中央より、前によっているためにあたかもテールがいきなりブレークしたような錯覚におちいるほどだ。
箱根のターンパイクでもNSX に遅れることなくついていくことも出来た。
NSXのドライバーは鼻歌まじりでコーナーをクリアしていくのに対し、私はモナコでセナを追うマンセルのように車を降りる時はへとへとだった。
当時はテスタロッサを超える間違いなく最速の12気筒だった。
ガスショックのついたドアのボタンを押すと、スーと真上にドアが跳ね上がり、純白のゆりかごのようなシートに乗り込む。その演出はカウンタックならではだ。
その後、ランボルギーニ社25周年記念モデル、カウンタックアニバーサリーが発売された。
パワーシートになったせいで座面が上がり、179cmの私はヘッドクリアランスがよりなくなる。ポジションは圧倒的にクアトロの方が優る。
当時はETCもなかったためにパワーウインドウを装備しないクアトロは料金所で苦労したが、その楽しさは格別だった。
ムルシエラゴやアベンタドールもあの頃のカウンタックから比べればプリウスを運転するのと変わらないくらい簡単だ。
countach は男の車だ。
by cavallino-cars | 2012-08-23 19:30 | Comments(2)

乗ったことのある人だけが感じる感覚は、とても大切だと思います。乗ったことのない人がさも乗ったように書いているインプレッションを読むとがっかりしてしまう事もあります。
元気ですか?コメントありがとうございます。
信頼できる自動車評論家も多いのですが、本当に乗って書いたの?と思う記事もあります。30分ほどのっただけでわかることは限られますよね。所有して初めてわかる良さやトラブルなどの生の声は実に貴重です。何か過去に乗られた車の体験談など今度コメント下さい。