本日、午前中にマントバからやってきた208gt4の通関の許可がでて大井埠頭に引き取りに行った。
通関業者からはエンジンをかけようとしたがセルは回るがかからないとの報告を受けていた。
おそらくガス欠ではないかとのことだったが、とりあえず車を見てみることにした。

一度コンテナからだされた2台のV8Ferrari は再びコンテナにもどされたようで40フィートのコンテナの中にあった。

さっそく運転席に乗り込みイグニッションをオンにしてエンジンをかける。

8秒ほどのクランキングの後に勢いよく2リッター、V8エンジンは目覚めてくれた。やはりインジェクションになれた通関士はアクセルをあわせることなくただセルを回し続けただけだったのだろう。

初めて日本の道を走ったこの新車のようなgt4のファーストインプレッションは限りなく246Dino に近いということだ。3リッターの308の湧き上がるようなトルク感はないが、全体的に車が軽く感じられる。まるでV6 のDino のエンジンを積んでいるのではと思わせるほどなのだ。

アクセルにのせた足を数センチ動かしただけで反応するエンジンの素晴らしさはフェラーリならではだ。
夏休みが今日から始まった会社が多いのだろう。首都高速は比較的すいていて、208gt4のテストドライブには最適だった。
緑の多いイタリアのReggio Emillia の街とは対照的なビルの谷間の首都高でもそのレスポンスは変わることなく、ドライバーを魅了する。

印象的なのはそのエキゾーストノートで、キーンという金属音は308に比べ一段と大きく、排気音は乾いた何ともいえない音色を奏でる。たまたま土曜日に乗った246gt のそれに、限りなく近い。そのレスポンスのよさは246gt の後継車にふさわしい。なぜgt4の評価が低かったのか不思議に思える。これほど運転して楽しい車は少ない。

それにしてもこの208は実に素晴らしい状態を保っている。
マラネロをでてから37年間も経過しているとは信じられないほどだ。

こんなコンディションのgt4を日本にもってこれたことを本当に嬉しく思う。