italia の美しい車と暮らす

今から30年ほど前になるが、初めてフェラーリを購入した。

ショップで見たgt4のすべてに魅せられ、翌日には契約書にサインをしていた。
初めて高速を運転した時のあの独特なキーンという音や革の香りは今でも思いだす。

あれから何台のフェラーリに乗ったことだろう。288GTO,328,275,512,355,F40,daytona,360,430,599,458,FF どれもそれぞれ官能的な車だった。

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最新のものを乗り続けてきたが、新しいものは速くなってはいるが、
以前のようにどきどきするような高揚感はなくなってしまった。

それに比べ3年前からすっかり魅せられてしまったのが、308シリーズだ。
自分でも想像もしなかったことだ。

加速感、排気音、デザイン、インテリヤの細かいディール、手に触れるスイッチ類の感触などすべてが30年以上も経過しているにもかかわらず、今の車とは一線をきす美しさなのだ。
手作りのものだけがもつオーラを放つgt4や308は、テールスライドを伴うようなスポーツドライビングさえ楽しめるピュアスポーツカーでもある。

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それにその車が数十年走ってきたイタリヤや英国などの美しい街という背景も加わる。30年前に購入したのは他県のディーラーだった。北米仕様というハンディキャップもあったが、イタリアの裕福なオーナーのガレージにあったものを初めて日本人のオーナーとして乗るのとでは気分がまったく違う。

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私のご紹介するgt4やGTB は遺跡のようなローマやベローナなどのヨーロッパの美しい街からやってくる。

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英国もすばらしい。
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ナイトブリッジやスローンストリートにあった308のステアリングを握る高揚感。
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ガレージに停めた車を眺めながらその車が住んでいた街を思い浮かべることは実に楽しい。
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日本で新たにオーナーとなられた方には、機会があれば是非その場所やその国に行き、自分の目で見てくることをお勧めしたい。

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gt4やGTB は見ていても美しく、運転しても非常に楽しい車だ。
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ヨーロッパの前オーナーが握ったであろうステアリングに手をかける度にフェラーリの歴史だけでなく、ヨーロッパの文化に直接ふれているような気がする。
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2ケ月前まではボローニャやトスカーナを走っていた308が自分のガレージにある。
このエモーショナルな気分もクラシックフェラーリならではの楽しさだ。

  by cavallino-cars | 2012-06-05 16:42 | Comments(1)

Commented by J-Watanabe at 2012-06-08 09:13 x
30年前、学生の私は中古のアルファスッドスプリントを買うのが精一杯でした。
でも、シートに座り香りを嗅ぐだけでイタリアに旅した気分になれて、ゴルフやベンツに乗ればジャガイモとソーセージを食わなくては、という気持ちになり、、ルノーサンクやシトローエンにのれば、フランスの風を感じたものですね。
フェラーりに限らす、すべてのクルマが今世界クルマとして、パソコンのように使い捨てられ、生まれた国の風土を感じさせない単なる製品になってしまったような気がします。
それにしても、30年前、普通の人は天と地がひっくり返ってもフェラーリなど手が出ないと感じていた頃、gt4に乗られた感覚は想像するだけで、ため息が出そうです。

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