ローマからアウトストラーダで約2時間のテラモのCastelnuovo Vomano という小さな街にスチールとファイバーの2台の308を見に行く。

雪の残る高速道路をとうり、指定された番地に着くとGramenzi Motors という工場だった。中には驚いたことにフェラーリのツールドフランスや250Caloifornia, Lusso などが整備の順番を待っている。オーナーのEnrico氏はメカニックでイタリア語しか話せない。息子のAntonio が英語が堪能なので通訳をお願いしてさっそくモナコブルーの308を見せてもらう。

この車の魅力はなんといってもこのカラーリングだ。

シートはオリジナル。予想していたよりコンディションはいい。

当時の最初のオーナーの名前が記載された保証書もそろう。

助手席のドアパネルの物入れには新車の時についていたカバーがまだつけられている。

タイヤは220 55VR390 のTRX がつく。あのFioravanti 氏の308と同じものだ。
Enrico さんにテストドライブをしないかと言われkey を受け取る。
ショックが古く突き上げが激しい。左のパワーウインドウが作動しない。エアコンは正常に作動。ハザードはつくが、ウインカーがつかない。これらはすべて修理は問題なく出来るだろう。
5000回転以上エンジンをまわすと少し咳き込むがこれもキャブ調整でなおる範囲だ。

フロントウインドウにはTreviso で見たGTS に貼ってあったものと同じステッカーがつく。フロントウインドウもオリジナルだ。

フロントスポイラーはオリジナルはボディと同じつるっとした肌なのにこの車はアンダーコートがしてあるようなブツブツの肌になっている。これも塗装をしなおせばいい。このままでもいいくらいだ。

最大の問題はトリップメーターが動かないことだ。試乗前と試乗後の数字が変わっていない。308のメーターは電気式で小さなチップがだめになっているケースがほとんど。新しいメーターはもちろん、古いメーターでさえ手に入れることは難しい。Enrico 氏に捜してもらい、手配ができたらもう一度検討することにした。

仕事で308の販売をしていなければ、買っていたかもしれない。

それほどこのモナコブルーの色は魅力的なのだ。