Ferrari に求めるものは?

仕事がら最新のフェラーリに乗る機会も多い。
クラシックフェラーリから458やカリフォリニア、599などに乗り換えるとその技術進歩の素晴らしさ、速さ、快適性には驚きをかくせない。中でもニューモデルがでるたびにF1マチックの進歩の素晴らしさには日進月歩のテクノロジーのすごさを感じてしまう。458と355のF1を乗り比べればその差は歴然で355が自動車部の学生が作ったもののように思えるほどだ。

快適性とスピードを求める方には間違いなくモダンフェラーリをおすすめする。オートマ免許さえあれば女性でも異次元のスピードを体感できる。

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エレガントさと自分だけの1台を求める方にはクラシックをすすめする。最近モンテゼモロ氏が発表されたテーラーメードプラグラムなどを使わずにオンリー1の1台になる。そもそもロードカーをF1と同じカラーリングにしたり、無意味な革のエンジンフードストラップなどをつけること自体がエレガントさとは程遠い。Enzo が生きていたらあんなプログラムはあえて作らなかったにちがいない。

ボディにセンターストライプをいれた308はみたことがない。いれずとも十分美しく、いれてしまうとオーナー自体の品格をも疑われるからだろう。オリジナルが一番美しいのだ。

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70年代の車はF1も含めて実に美しい。
快適性からいえばモダンフェラーリにはかなわないが、エレガントさは一歩もひけをとらないばかりか、勝る。
最近のフェラーリはアイドリングでも排気音は大きすぎで、デートナのようなミュージックと呼べるようなものはなくなってしまった。レーシングカーに近いサウンドだ。

かといって、汗まみれでクラシックを運転するのはエレガントとは言いがたく、その意味でもエアコンは必需品。
フェラーリを雨の日も、風の日も、毎日、乗られる方はいないだろう。
天気の良い休日にドライブに行くていどだ。
毎日が休日のような恵まれた方もいらっしゃるだろうが、普通の方は月に8日ほど。
異次元の加速とブレーキングを楽しめるモダンフェラーリか、マニュアルのクラシックを選ぶか、どちらのキーを持ってガレージに行きたいだろうか。

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私のもう一度欲しい車はF40 だが、最近、休日はゴルフ場に行くことがほとんど。しかもたまに隣にゲストを乗せることもあるので、現実的な理想のフェラーリはgt4なのであります。
ラゲージスペースの大きなディトナも候補にあったが、夏はエアコンをつけても、ハンドルポストからエンジンルームの熱気が直接ドライバーを襲い、その熱波にはとても耐えられない。ブレーキの効かなさも普段乗るにはかなり抵抗がある。

412もスタイリングが好きで、毎日の足として使用していたこともあった。基本的にヘビー級なのでその運動性能はスポーツカーとはほどとおく、維持費もかかる。シルバーと白の2台をのったが、もう買うことはないだろう。

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私のフェラーに求めるものはコックピットに座った時の高揚感につきる。
アクセルのオン、オフによる挙動変化、自分がこの車をコントロールしているという実感、ハンドルを握った時の質感、丸いシフトノブのグリップ感と切られたゲートに沿ったシフトフィール。
独特な匂いと美しいエクステリアにインテリア。
それに気持ちよく回るエンジンだ。
その意味でもgt4はすべてを満足させてくれる。

モダンフェラーリに座るとその限界の高さに挑戦するようなレースモードに入ってしまう。
極端かもしれないがゆっくり走っている時はレース前のサーキットでのウォームアップの感覚に似ている。低速ではフェラーリならではのアイデンティティーは感じられない。
レーストラックのように高速を駆け抜ける時の快感はまさにフェラーリならではの素晴らしさで、自分がアロンソかマッサになったような気分なのだ。それは一種の麻薬のようなもので、アクセルを踏まずにはいられなくなってしまう。

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クラシックはエンジンをかける時からモダンフェラーリとは全く異なる。
セルを回し、エンジンに火が入ったところでアクセルを踏みガソリンをキャブに送り込みいっきにかける。水温、油温が上がるにつれ、スムーズなアイドリングになっていく。
高速でもキーンというギヤ音を聞きながら、エンジンに異常がないかを確認し、初めてレブリミットまでエンジンを回すのだ。30年以上前の美術品のような車を全開で走らせると当時にタイムスリップしたようだ。手が汗ばむほど飛ばしても、3000回転ほどでゆっくり走りながら金属的なフェラーリサウンドを聞きながら巡航してもニヤついてしまうほど素晴らしい。
この楽しさは実際にステアリングを握ってみないとわからない。

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ABS やトラクションコントロールなどのつかないクラシックはドライバーの技量によりその限界は大幅に異なる。その美しさに秘められた危うさも魅力なのだ。
F40 はまさにその典型であれほど運転して楽しい車にいまだに出会っていない。

モダンフェラーリのシートにジーンズの生地を使用したり、カラーリングをレーシングカーのようにして自分だけの1台を作るのも楽しいかもしれないが、古く、美しいクラシックフェラーリは同じコンディションのものはなく、それだけで自分だけの1台になる。クラシックは特別な魅力に溢れている。

  by cavallino-cars | 2012-01-21 15:00 | Comments(0)

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