新年のお墓参り

毎年、新年は青山にある父の墓参りに行く。
去年の出来事と今年の抱負を報告する。

父が他界して早いもので今年で14年にもなる。
高校の時アメフトでアキレス腱を切った時、1ケ月ほど毎朝、東京から高校のある志木までBMWで送ってくれた。
片道1時間半はかかったと思う。いくら車好きな父とはいえ大変だったに違いない。
頑固なところもあったが、優しい父だった。

クラウンを何台か乗り継いだ後、トライアンフ、BMW、マセラッティ、BENZともっぱらセダンのみを乗り続けた。フェラーリにはあまり興味がなさそうだったが、F40だけは別格で、ガレージに入った日、乗せろと言われ、出かけた。飛ばせというのでアクセルを全開にしたら、そんな危険な運転をするやつがあるかと怒って降りて、タクシーで帰ってしまった。

子供の頃、どこかの駐車場で父の膝の上に座り、ハンドルを操作させてもらったこともあった。
頑固だったが、強く、頼れる父だった。
決して褒めることをしない父だった。
怖い父だったが、楽しい父でもあった。

そんな父が癌になり、入院している病棟で私のことを自慢していたとう話を亡くなってから聞いた。
嬉しくて涙がこぼれた。

1月21日は父の誕生日だ。
病床で迎えた72回目の誕生日には久兵衛の鉄火巻きをリクエストされ持って行ったが、一口しか食べれなかった。その日が誕生日とは知らぬふりをして、帰った。

何も言わずに、こっそり誕生ケーキを用意し、婦長さんに頼み込み、私が帰ったあとで父のお気に入りの看護婦さん数人で、キャンドルを灯し、お祝いしてもらった。

母には当日の夜、楽しそうにあいつにやられたよ、と話していたらしい。
私には当然一言もなし。
父らしい。
だけど母への電話だけで十分だった。
それが最後の誕生日になってしまった。

人生は思っているより短い。

だからこそ楽しまなければいけないと思う。

父の墓前にたつと父との数え切れないほどの楽しい思い出が溢れてくる。

  by cavallino-cars | 2012-01-07 17:12 | Comments(1)

Commented by chio at 2012-01-16 12:47 x
もう14年も経つのですね。
いろんなお父様のエピソード、思わず泣けてくるとともに考えさせられました。

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