Best 308 in the world

エンジン調整、タイミングベルト交換、油脂類の交換、フュエルホースの交換などを行った。
フロントのブレーキが引きずっていたため、前後キャリパーのオーバーホール、ローターの研磨をすませ、10月6日に整備が完了。
しかしブレーキペダルの踏みはじめにシュッと音がしてペダルが奥に数センチ入ってから効きはじめる。
それに急ブレーキを踏むと車が右にとられるので再びコーンズに。
エア抜きを再度行って症状は改善されたがシュッという音はまだでているためブレーキマスターを交換することになった。
ブレーキマスターはサーボとアッセンブリーのためかなりの出費となったがしかたない。
交換後はブレーキのタッチは格段によくなったがまだ若干右にとられる症状は変わらない。
コーンズのメカに相談したところローターを研磨したのであたりがでれば治るはずとのこと。
高速で何度かブレーキングを繰り返したらその症状も治った。
整備に2ケ月以上かかったがやっとこの日がきた。
今日は日本にきて初めてこの特別な308を高速で本格的に乗ってみることが出来るのだ。
マラネロのファクトリーで走った時はキャブも本調子ではないばかりかクラシケのメカが同乗していたので本来の性能の一部しか楽しめなかった。
Fioravanti 氏によるとカムは特別なもので、コンプレッションもノーマルの308より高いエンジンが搭載されているということだった。
期待と不安に胸をおどらせながらイグニッションを回す。

この車につくのは95年の18週に製造されたミシュランTRX。タイヤのグリップを考慮しながら最初は様子をみながらコーナーに侵入していく。エンツォがフィオラバンテ氏のために特別に作らせたエンジンはノーマルに比べ極端に速くはないが、中高速のトルクがノーマルよりあきらかに太く、パワフルだ。


目黒線のような3速や4速で回るようなコーナーはこのトルクフルなエンジンによりアクセルで車の方向をコントロールしながらラリーカーのように走れるのだ。
進入速度を上げてTRXがグリップを失いかけてもその修正は容易でこれほど楽しい308は今だかつて運転したことがない。

すべてを忘れて運転することを楽しめるという意味ではF40 に通じるものがある。
コーナリング中にアクセルを全閉にしたらスピンしてしまうような速度で一つ一つのコーナーをハーフスロットルでコントロールしながら抜けていく快感は599や458では味わえない。
しかもその姿は優雅でエレガントそのものなのだ。
ファイバーグラスの308に積まれたそのエンジン音は特別でキーンという高音な電気的とも機械的ともいえる独特な音を発する。
そのサウンドとエキゾーストノートに満たされたコックピットでのドライビングはフェラーリならではのものだ。
一度この感覚を味わってしまうと他のものは興味がなくなってしまうほどの素晴らしさなのだ。
かつてはカウンタックなどにも魅せられた私だが、何が今一番魅力的な車かと質問されたら迷うことなく308と答える。

by cavallino-cars | 2011-11-05 19:50 | Comments(2)

ついに整備完了ですね!記事を読むとワクワクして来ます。
先日、くろぴーさんからお話をお聞きしました。是非ともご一緒させて下さい。また素人のワタクシが言うのもおこがましいですが、ワタクシのS-QVもブレーキング時、若干、右へといった症状があり、先般、整備の際、フロントのハブベアリングを増す締めしていただき、直りました。誠に僭越で余計なお世話かも知れませんが、そちらの方も点検されては如何でしょうか?
コメントありがとうございます。
やっとという感じです。通関してからは3ケ月もかかりましたが、待ったかいはありました。
ブレーキの方はローターとパッドのあたりの不具合だったようで高速を何度か走ったら完治しました。
次回はハブベアリングも点検することにします。
症状でどこが悪いかのトラブルシューティングには実際の経験が原因がわかる近道です。
貴重なアドバイスありがとうございます。
それにしてもマラネロを走ってきた308で東京の首都高を走ると、特別の感情がわいてきます。