Cost Downとボディデザインの関係
製産台数を増やすためのメーカーとしてのコストダウンによる
デザインの変化が原因しているのは間違いない。
ぱっとみでは308より355や430、458がよく見えてしまう人は多い。
しかしコストダウンという視点から車を見ていくと、なぜデザインが変化したかがよくわかる。

ファイバーはどうしても品質の管理が難しく、スチール製にするとボディとのちりあわせが簡単に行えるため変更されたのだ。


355になると丸いテールライトの根元の黒いふちはなくなり、左右の4つのライトは同じ形状のものがつけられるようになる。しかもバックパネルはフェンダーと繋がっていないはめ込み式に変更された。誰が見ても308との生産コストの差は歴然だ。




横から見るとフロントボンネットのラインよりバンパー下のスカートのラインが飛び出し、あごが飛び出したような顔になった。

フロントセクションは左右のフェンダーとボンネット、センターのバーとF.バンパーの4つに分けられる。
一体ものよりもコストはかなり削減できるはずだ。
フェラーリ伝統のフロントグリルはアルミ製からプラスティック製に変更された。
(これは348からでダミーのグリルになった。)

フロントボンネットは308のフェンダー上部のラインから比べるとより平坦になる。


まず328までのリヤゲートがリヤクォーターピラーごと開くタイプから348以降はエンジンフードのみが開くタイプに変更されている。これだけでもかなりのコストが削減できる。
さらにルーバーが廃止され、ネットだけになったことも単にデザインの変更ということでなく、ピニンファリーナにはメーカーから製造コストの削減という命題が課せられたにちがいない。


かつての美しいリヤビューと比べると355でさえもっさりと見えてしまうのはやむをえない。
308のリヤは直線的ラインと曲線のラインが実に美しいが、ボディのオートメーション化が始まった
348以降のモデルと比べると明らかにそれらの方が見劣りしてしまう。
246や308には熟練した職人にしか出来ない美術品のような美しさがある。
誤解をされないように、あえて申し上げるが、348や355、そして458などの現代のモダンフェラーリはどれも運転していて楽しいし、エキサイティングだ。
ただ、デザイナーの本来作りたい車が生産コストの問題や法律の規制で出来なくなってしまったことが残念だということです。
よりレーシングカーに近く、すべてのパーツを交換しやすく、軽く、そぎ落としたという見方もあるが、
年々Ferrari 独自のアイデンティティーは薄れつつあるように思える。
かつてのフェラーリは他の車とは一線をきした特別に美しく、速い車であった。
246や308が何時間でも見ていても飽きないのはコスト今ほど考えずに生産できたよき時代の車だからだろう。

同様にgt4のメッキフレームとのコントラストも実に美しい。


もともと308GTB のリヤバンパー埋め込みのリバースライトはベルトーネ作のgt4が最初なのだ。
決して今のフェラーリでは味わえない美しさが70年代のフェラーリにはある。
by cavallino-cars | 2011-10-10 18:06 | Comments(2)
旧き良き時代のFerrariを愛する1人として、いつも更新を楽しみにしています。
20年以上、いろいろなフェラーリを乗った感想を思いつくままに書いておりますのでとり止めのないブログになっております。
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またコメント下さい。