オリジナルのもつ美しさ

クアトロバルブでさえ見比べると古さを感じ、新しい328のスタイリングに魅せられたことを想いだす。
あれから25年。

当時は328のフロントグリルに埋め込まれたスモールランプやボディと同色のバンパーがモダンでよく見えたが、今ではフロントラジエターグリルいっぱいにつけれらたフェラーリ伝統のアルミのフロントグリルや黒いバンパーがクラシカルで好ましく思えてしまう。



アメリカのお金持ちがピニンファリーナに持ち込んで作らせたP3/4や、ベルトーネデザインの復刻版のランチアストラトスをみてもオリジナルの美しさにはかなわない。

バンパーに埋め込まれたウインカーライトの廃止やドアノブがドアに移されたこと、インテリアのノブが液晶化されたことなどはすべてコストダウンのための変更だ。

328のフロントスカートが308にくらべ厚くなっているのはスモールライトユニットをバンパー下に収めるためやむなくオリジナルのデザインを変更したのだろう。

しかしながらオリジナルのもつ、繊細ともいえるラインは失われて、むしろモダンカーに近いものになってしまった。
今現存する美しい固体の308を所有することは、リビングに飾る骨董品をみるような楽しさに溢れている。
しかもそのステアリングを握り、ひとたびアクセルを踏み込むと328や348さえ凌ぐ加速をするのだからたまらない。このギャップがこの車をさらに魅力的にしている。
by cavallino-cars | 2011-09-28 13:35 | Comments(0)