オリジナルのもつ美しさ

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1986年フェラーリ328がデビューした頃は308がやたら古く感じたものだ。
クアトロバルブでさえ見比べると古さを感じ、新しい328のスタイリングに魅せられたことを想いだす。

あれから25年。
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今見比べると308のクラシカルなところがたまらなく良く感じるから不思議だ。
当時は328のフロントグリルに埋め込まれたスモールランプやボディと同色のバンパーがモダンでよく見えたが、今ではフロントラジエターグリルいっぱいにつけれらたフェラーリ伝統のアルミのフロントグリルや黒いバンパーがクラシカルで好ましく思えてしまう。

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インテリアのスイッチ類は言うに及ばず、マフラー回りのボディ処理、マフラー本体、リヤスポイラーのつかないシャープなラインなどが実にいいのだ。

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308に初めて乗る方はどうやってドアを開けていいかわからないようなアウターハンドル、肘掛の中にかくれた内側からのオープナー、ボタンで留まるサンバイザーなど細かいところへのデザイナーのこだわりがいたるところに見られる。

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どちらが美しいかとなるとかなり個人的な主観がはいるので難しいが、
アメリカのお金持ちがピニンファリーナに持ち込んで作らせたP3/4や、ベルトーネデザインの復刻版のランチアストラトスをみてもオリジナルの美しさにはかなわない。

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細かいメッキやアルミの削りだしのグリルなどはもう作れない。
バンパーに埋め込まれたウインカーライトの廃止やドアノブがドアに移されたこと、インテリアのノブが液晶化されたことなどはすべてコストダウンのための変更だ。
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328のフロントスカートが308にくらべ厚くなっているのはスモールライトユニットをバンパー下に収めるためやむなくオリジナルのデザインを変更したのだろう。
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これはこれでより精悍なイメージになってかっこいい。ピニンファリーナの素晴らしさを感じます。
しかしながらオリジナルのもつ、繊細ともいえるラインは失われて、むしろモダンカーに近いものになってしまった。

今現存する美しい固体の308を所有することは、リビングに飾る骨董品をみるような楽しさに溢れている。
しかもそのステアリングを握り、ひとたびアクセルを踏み込むと328や348さえ凌ぐ加速をするのだからたまらない。このギャップがこの車をさらに魅力的にしている。

  by cavallino-cars | 2011-09-28 13:35 | Comments(0)

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