Ferrari 599 on the road
点検してもらった。
原因はライトスイッチの取り付け不良で再度つけなおして音は止まったように思えたが、
今度は120km以上でカタカタという音がするようになった。
ダッシュ回りや、ライトスイッチなどをはずし、メカニックが考えられるところを手で押さえながら
4日間ほど走行テストを繰り返した結果、フロントタイヤのインナーフェンダーの合わせ目が
風圧で暴れて音がでていたことが判明した。こちらも再度つけなおし、音は止まった。
今までにない軽く、強度のある素材を使用しているためなのだろう。
360チャレンジストラダーレでもある速度以上になると足元から
ブーというタバコのビニールを吹いた時にでるような音がでたことがあった。
ノーマルより軽量化されたアンダーパネルの合わせ目がばたついたことによる音だった。
アクセルを床まで踏むとドラマは4000回転から始まる。
身体はシートに押し付けられ、バックツーザフューチャーのデローリアンがワープするような
加速がはじまるのだ。全身の血管に流れる血液が沸騰するような興奮。
ステアリングを握る手はわずかに汗ばむほどだ。
目視するのが難しいためステアリングにLEDの赤いランプが5つ点灯することに
よりドライバーにおおよその回転数をしらせるオプションが用意される。
ペダルから足を離してしまうに違いない。それほどその加速はすさまじい。
F40 は2速3速4速と高速でアクセルを踏みっぱなしで走れるが、
599はそれが出来ないほど速いのだ。
もちろんトラクションコントロールのスイッチはオンのままでの状態でだ。
それほどその加速がすさまじく、ぎりぎりまでアクセルを踏んでいられないからだ。
その加速は前方のエアポケットに吸い込まれるような感覚。
気をつけないと4速でもあっという間にスピードは200kmを越える
しかもオプションのカーボンブレーキの制動力は予想を上回るので
コーナーの手前で減速しすぎてしまうのだ。
富士のストレートを全開で走り抜け、150メートルの看板を過ぎてフルブレーキングする時の
ような緊張感が599に乗ると日常になってしまう。
大きな魅力だ。しかもそのサウンドはモダンフェラーリの中ではかなり控えめで
コックピットでフロントインナーフェンダーからの異音を確認できるほどなのも好ましい。
ゆっくり走っても、とばしてもその剛性感はすばらしく、加速はひと昔前のF1のようだ。
この車の価値はアクセルを踏んで初めてわかる。
もちろんゆっくり走ってもその姿は美しく他の車を圧倒するが、
全開にした時の血液が逆流するような興奮を楽しまなければ意味がない。
同じ12気筒でもグランツーリズモのようなBB や Testarossa とは明らかに違う。
599 はFerrari の racing spirit を体感できるピュアスポーツと呼ぶにふさわしい車だ。
by cavallino-cars | 2011-01-28 18:40 | Comments(0)