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昨年末、3泊5日の強行スケジュールで買い付けに行った308はキャブレターの最終モデル。
初年度登録は1981年ながら、最初のオーナーがなんと30年間所有していた1オーナーカーだ。
この車に残されたフェラーリのデリバリーシートと現在の車検証のオーナーが同じことから
それが確認できる。

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初代のオーナーが他界し、家族がかなりの台数のクラシックカーを相続したが、
みな車に興味がないため手放すことになった。
このGTB はその中の1台。
こうしてイタリヤの宝石がまた東京にやってくる。

整備記録こそ残ってはいないが、タイヤは2008年に4本とも交換され、
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ウォーターホースはふくらみや水漏れの跡はない。
ブレーキホースなども硬化しておらず柔らかいことからメンテナンスは
きちんとしてあるように見える。

内装はすべて張り替えたように美しい。
ボディには細かい拭き傷はあるが、深い傷やへこみの類はまったくない。
シュアラスターに持ち込めば鏡のような美しさを取戻すにちがいない。

ミラノ市内の石畳を試乗しただけでその足回りのしなやかさがよくわかる。
こんな車に出会えたのが奇跡のような固体。

本来キャブのGTBのマフラーは左の1本出し。
ほとんどの車は太鼓部分が腐食し、ステンレス製の4本だしのものに
交換されている。
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しかしこの固体にはオリジナルマフラーがそのま装着されていて
その状態もすこぶるよい。

30年間のほとんどの時間を暗い
ガレージの中で過ごしてきたことが伺える。
1年に1度ほどミラノからマルケーゼにランチを食べに
行くような乗り方をされていたのだろう。

ミラノではほとんどFerrari は見ない。
オーナーは隠すように所有している。
子供の誘拐や泥棒などに狙われることを避けるためだ。
日本のようにちょっとカフェにお茶を飲みにフェラーリで行くような
ことはまずしない。

走行18000kmは偽りのないものだろう。
入港は3月末。
売らずに個人的に所有してしまいたいほど素晴らしい308。

  by cavallino-cars | 2011-01-07 02:11 | Comments(0)

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