クラシックフェラーリの魅力
30年以上前になりますが、私にとってフェラーリは同じイタリヤ車でもアルファロメオや
フィアットとは明らかに一線を超えた雲の上の車でした。
社会人になって初めてフェラーリのステアリングを握った時の感激と
感動は今でも忘れられません。
ボディデザイン、革の質感、匂い、そして音、すべてに魅了され
何時間も眺めて過ごしたことを想い出します。
明らかに市販車の中ではすべての点で抜きん出た車でした。
あの時のような気持ちになれる車は残念ながら今の車にはありません。
仕事柄すべての車を乗ってしまったからでしょうという人もいますが、
決してそうではないと思います。
極端にいえば今のスポーツカーはどの車も同じように見えてしまいます。
ただ速く走れるだけのレーシングカーに近いロードカーにしか見えません。
快適で、スポーツ性も高く、故障も少ない、理想に限りなく近いですが、
僕には何かが欠けている。
うまく表現できませんが、ウルトラモダンの部屋にいるような感覚。
クラシックな家具にある彫刻のような造形、
見ているだけで圧倒されるような美しさ、
熟練した職人のみができる家具に
囲まれているような心地よさの違いかもしれません。
不便でも美しいアールデコ調の階段を設置するか、
便利で快適なエレベーターをつけるかのようなもの。
趣味の車には断じて前者を選びます。
私見ですがが今の599GTOが20年後になって、
288GTOのように輝いて見えるとはけっして思えないからです。
ミラノの石畳を疾走する458は確かに美しい。
クラシックな街並みとイタリヤモダンのデザインが
おりなす対象的な美しさです。
しかし私が時間を忘れるほどその美しさに
魅せられるのはDino や 308 です。
ストレートだけを全開でとばす若者がドライブする599より
クラシックフェラーリを初老の紳士がリヤタイヤをスライドさせながらコーナーを
クリヤしていく姿に憧れます。
同じ価値観を共有していただける方のために
世界中の宝石のようなフェラーリを今年も日本に持ち込みます。
賀正
by cavallino-cars | 2011-01-01 01:32 | Comments(4)
ワタクシも308が大好きで、都度拝見させていただいております。
お書きになっていることは、まったく同感でございます。
上手く表現できないどころか、充分のその感性は分かります。
僭越ですがたぶん同年代?もしくは少し年下?なので、お気持ちのイキサツが同じなのか?とも思いました。
これからも楽しみに拝見させていただきます。
コメントありがとうございます。
308ラバーの方からのコメントをいただく度に嬉しくなります。
308のある生活は所有した人でなければわからない
楽しさがありますよね。
先日モダンフェラーリから308に乗り換えられた方から
本当に良くて感激しましたというお電話をいただきました。
個人的には76年から80年までのキャブモデルに
心酔しています。
数年前までは車屋を辞めたら40が欲しいと思っていましたが
最近では308をガレージに残したいと考えています。
少しずつですが日本の308 LOVERが増えるよう良い車だけを
輸入していきます。
またコメントお待ちしてます。
今年もよろしくお願いします。

456やマラネロも検討したことがありますが、それらは僕にとってポルシェの代わりであり、足車的な位置づけで興味があるというもので、308とはまったく別のものという感覚です。
100年以上前の時計はすごいですね!!
銀器は私も好きでクリストフルのカトラリーを持っています。
私のは10年ほど前に買えそろえた新しいものです。
すぐに黒ずんできてしまうので2月に一度くらい磨くのが手間ですがあの重さと輝きはその手間をかけても美しく、使えば使うほど
好きになってきます。
本物にしかない良さ、熟練した職人にしか出来ない美しさは
本当に見ていてあきることがなく
そんなものに囲まれて暮らしたいものです。
そんな美しさが308にはあると思います。