308 と 328 Which do you prefer?
最近308のキャブレター車に心惹かれている私だが、
かつては328は所有していたほど好きな車だ。
なぜ今308にこんなに魅せられるのか検証してみたくなった。
動力性能的にはほとんど変わりない2台。
エンジンの始動性は328が格段に上。
子供でもキーを回せばビィーンという
音とともにV8エンジンは簡単に目覚める。
排気音よりも電気的な音のほうが大きい。
それに比べ308はアクセルを床まで1度踏み込み
フュエルポンプの音を確認しながらセルを回す。
エンジンに火が入ったところでアクセルを開け、エンジンを始動。
少々面倒だが
排気音は328よりかなり魅力的だ。
コックピットに座った雰囲気は一見同じようだが、
実は全くその世界は違う。
デイトナや275のように大きすぎずに飛ばしているとこの細さがクラシカルでいい感じなのだ。
しかも328より車庫入れなどの時は格段に軽い。
その流れるようなラインが美しい。
そのためダッシュボードからつながる肘掛の流れるような優美なラインは失われている。
使いやすくなった反面デザインは普通になってしまう。
変更されている。
外観だけでなく328に乗り換えると電気自動車に乗っているようで
その乗りやすさに驚かずにはいられない。
うまく表現できないが、308はそのレトロな感じがいい。
それでいて走るとそのイメージは豹変する。
まさにFerrari そのものなのだ。
デザイン重視のため隠されたドアオープナーや質感のよいウインカーレバー類。
カチリと動くスイッチ。
メッキで囲まれたメーター。
思いっきり押せば曲がってしまいそうな華奢なハンドル。
3本スポークの付け根の柔らかい革の感触。
そして気持ちよくまわるエンジンとキャブならではの吸気音。
エアコンのスイッチさえ独特な
雰囲気がある。
クラシックでありながら実用車として使える最低限の装備もつく。
288GTOの椅子に近いフィールがある。
gt4もそれは同じだ。
椅子の革とセンターのラインの艶が違うのもデザイナーのこだわり。
シートが艶消しの革に対し、ラインは艶があるものを使用している。
確かにこの方が美しい。
そしてシートとヘッドレストにもパイピングがきれいに施されている。
328のシートは縫い目が変わり、それがない。
決定的に違うのはそれら全体がかもし出す居心地のよさだろう。
私にとっては308はお気に入りのB&Bの家具に囲まれているような空間なのだ。
それにキャブ独特の吸気音と加速感が加わるのだからたまらない。
体感では明らかに328より速く感じる。
インテリアも見比べると308の方が細かいデティールが優れている。
328になってから少しではあるが、量産するために細かい仕様が変更されているのが
明らかにわかる。
生産台数はファイバーモデルが75年から77年の3年間で712台
スティールの308は77年から80年までの4年間で5404台
328は85年から89年の5年間でターボモデルも加えると実に8548台も作られている。
これらの違いを知れば知るほど308が魅力的にみえてくるのだ。
ただし私のいう308はキャブレター仕様のヨーロッパモデルのみ。
US仕様や日本仕様、そしてインジェクションモデルは明らかに動力性能が
劣るからだ。
308と328、乗りやすさは断然328だが、その美しさと楽しさは
308の方がワンランク上というのが個人的見解。
by cavallino-cars | 2010-07-28 14:44 | Comments(0)