燃焼室のバルブはカムシャフトのこの山の部分がバルブを下に押し込みガソリンを燃焼室に送り込みます。
今回オーバーホールしたエンジンはカムシャフトの山が本来ある高さから、かなり削りとられ隙間があき、シムをたたき、エンジンをかけるとアイドリング中にタンタンとたたくような音がしていました。
本来ここにはオイルが入りシムの面はフラットになっているのが正常です。
原因はオイルポンプのギヤの摩耗により、本来オイルフィルターにまでオイルを上げる圧力が低下したことにより、カムとシムの間に十分なオイルがいかなかったためにカムの山とシムのセンター部分がすり減ってしまったものと思われます。
上の写真の右がオイルポンプ。左がフタです。中には2つのギアが入っていて、それがかみ合うことによりオイルが上に排出される仕組みです。
ポンプというと回転するフィンのようなものでオイルを送り出すイメージがありますが、エンジンの場合はこのギアによってオイルが循環されます。ギヤの隙間が大きくなるとそれだけ圧がさがります。今回は右下のシルバーのギヤが摩耗していたので新しいものに交換しました。その他、摩耗していたインレットカムシャフト(ガソリンが噴出する側)、バルブ、バルブガイド、バルブガイド、バルブガイド、クランクシャフトのメタル、コンロッドのメタルに各オイルシールを交換しました。
もちろんバルブのすり合わせやピストンの清掃、面研なども実施。
マニホールドにも穴があいていたのでステンレスの新しいものに交換。マフラーも新品に交換しました。
エンジンはくらべものにならないほど軽くまわるようになり、その音も静かになりました。
新しく組みなおしたエンジンの印象をオーナーにお聞きしたところ、あまりにもスムーズであっという間にストレスなく回転があがるとのこと。190キロの慣らしを終え、あと10キロ走行後に4000回転までまわしてみるとのこと。
今週末にあと100キロ走行して5000rpmまで回してみたいとのことでした。
今回の固体は1977年モデル。マラネロをでてから47年が経過しています。
固体差はありますがタペットの音が大きくなり始めたら金額はかかりますが、エンジンオーバーホールをお勧めします。