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1年点検

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先週1年点検のために308gt4が入庫した。
エンジンを始動するとキュルキュルとベルトがこすれるような音がする。
原因はオルタネーターのベルト。
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新品はこのような状態。
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gt4のものはいつ切れてもおかしくないほど細くなっていた。
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今回ハノーバーから輸入したGTBも納車前の点検でオルタネーターのベルもご覧のような状態だったので交換した。
昨年イアリアでタイミングベルト交換を含む作業を行った時点で当然交換ずみだが、このように傷む場合もあるので納車前点検は欠かせない。
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その他、2年前に輸入したフィレンツェから譲り受けたgt4は今回点検で入庫した際、低速でコトコト、フロントから音がした。
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原因はフロントスタビライザーを固定するロアアームのブッシュが切れてなくなっていたため。
以前にはしていなかった音やエンジンフィールの変化など気がついた時にはとりあえず近くのメカにみてもらうことだ。
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安心してアクセルを踏めるようにするために年に一度は愛車をリフトアップして点検することをお勧めします。

  by cavallino-cars | 2015-04-29 14:59 | Comments(0)

chassis #21161

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今回の出張の最大の目的は前回の出張で見に行った308GTBを試乗することだ。古い車で最近の整備記録がないのでどうしても購入する前に実際に乗って確認したかった。目的の308は自宅から少し離れた工場に用意されていた。上の写真のハンドルをにぎるのは私。7秒ほどのクランキングの後、フォンと勢い良くv8ユニットは目を覚ます。
前回はオーナーが海外出張中のためエンジンをかけることも出来なかった。
いくら外見はよくとも実際に乗ってみないとわからないこともある。
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何台も見ているからこそわかるのかもしれないがペルージャのGTBよりもはるかにシャキッとした印象のこのGTBは久しぶりに出会った欲しいと思える1台。
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左右のパワーウインドウも問題なく作動する。ほとんどのGTBはウインドウのラバーチャンネルが傷んでいたり、ワイヤーやモーターの不良で動きがしぶい。このように上下ともスムーズに動くものは少ない。さっそくガレージからだして、走りながら各部のチェックをする。
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タイミングベルトも10年近く交換していないため、全開でのテストこそ出来ないが、各ギヤが問題なく入ることやスピードメーター、タコメーターなどの作動状況やエンジンの状態、ステアリングギヤボックスなどのチェックは十分に可能。
すべて問題ないことを確認しながらもそのペースは自然とあがってしまう。それにしても何度聞いてもF106 と呼ばれるこのエンジンの奏でる乾いたサウンドは魅力的だ。
5kmほど走り、ガレージに戻り、譲っていただくことにした。
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これは前回撮影したトリップメーターと
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今回試乗した後のもの。オドメーターがきちんと作動するかも購入前の重要なチェックポイントのひとつ。前期型の特徴のダブルレターのメーターがつくのも嬉しい。
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マフラーはシングルパイプのオリジナル。太鼓部分に錆びないように塗装がされているものが多いなかこれほどきれいな状態のマフラーはそれだけで貴重だ。この車のコンディションの良さはマフラー以外にもメーターナセル上のステッチの状態からもわかる。
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ほとんどの車がハンドルを握る手があたり、縫い目が擦り切れているのに対し、このようなコンディションのものは今や非常に少ない。
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オリジナルのマニュアルやマニュアルケース、工具も揃う。
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鍵は当時のオリジナルに新車時のフェラーリが用意したキーホルダーもつく。
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ボディカバーはおそらく当時のものではないがフェラーリの純正品。このようなカバーをつかっていたことからもオーナーのこのGTBに対する想いいれが伺われる。気になっていた運転席ドア内側のエマージェンシー用のウインドウオープナーのカバーも既にオーナーが注文済みで日本に到着前には私の手元にくることだろう。
日本到着予定は6月初旬。
また素晴らしいコンディションのGTBがイタリアからやってくる。

Grazie Luca!

  by cavallino-cars | 2015-04-23 16:01 | Comments(0)

SIENA

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ペルージャでの待ち合わせまで1時間ほど時間があったので途中、丘の上にそびえるSiena に立ち寄った。
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美しい歴史ある街は本当に素晴らしい。
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石畳を歩いていると中世にタイムスリップしたようだ。8世紀にはすでにこの街は今の形で存在していたということに圧倒される。
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当時は教会の鐘の音で時刻を知ったという。これはその教会にはってあるプレート。8世紀にたてられたものとしるしてある。
Siena には大学や音楽学校などの施設もあり、大勢の学生も生活している。
古い建造物を大切に残すために莫大な予算が組まれているに違いない。この街に住む人たちは外観は数百年も前のままの状態で室内のみを改装してくらす。美しいものには便利さを犠牲にしてもそれにかえられないほどの価値があることを知っている。
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現代ではけっしてつくれない美しい建物を大切に保存しながら、それらに囲まれて暮らすライフスタイルはイタリア人の美意識に今も引き継がれている。
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古くても美しいものを大切にし、愛する文化は素晴らしい。

  by cavallino-cars | 2015-04-20 19:04 | Comments(0)

実際に見て初めてわかること

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前回伺ったペルージャのフェラーリディーラーから1976年のファイバーグラスのオーナーが売却したいので預かったから見に来ないかとお誘いいただいた。
オーナーは自宅の道をこの車のために舗装したとのこと。雨の日は一度も乗ったことがないないほど大切にしているという。
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期待に胸膨らませて4月の16日に実際に現地に行ってきた。内装は革が傷んではいるがオリジナル。残念ながらホィールは当時のオリジナルの14インチではなく、16インチのものがつく。
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メーターもダブルレターのものがつき、トリップメーターもファイバーならではの細い数字のもの。
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スペアタイヤを覆うカバーも当時のオリジナルだが、タイヤを抑える革のベルトは本来は黒。
ここまでの写真を見た方は素晴らしいファイバーグラスの308に見えるはずだ。
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しかし塗装は写真ではわかり辛いがかなりチープなもの。フロントは大きな事故ではないがヒットしている。運転席側のフロントフェンダーにはそのため細かいクラックが入っている。
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バックヤードの工場でリフトしてメカニカル的なものをチェックする。後ろ右から来るのが目的のファイバーグラスの308。エンジンルーム下はあらゆるガスケットからオイルが漏れ、フレームまでオイルでビショビショの状態だ。
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左リアフェンダー内側にはタイヤがこすれたような傷もある。
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オイルパンのドレインボルトからもオイル漏れがあったらしくシーリングで漏れをとめているお粗末さ。
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これはフロントのアンダーパネルを下から見たところ。ヘドロのような塗装は小学生がアルバイトでしたようなレベル。
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これは運転席側のフロントタイヤ後ろの下の部分のショット。意味のわからない傷や本来シーリングがしてなければならないところが空洞になっている。イタリア人のメカニックといくらくらいかかるか相談したら塗装に3万ユーロ、エンジン関係では7000ユーロは最低でも必要だろうと言われた。タイヤやホィールもオリジナルではないので交換が必要だし、
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マフラーもgt4のものがついているため、こちらも交換したい。
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オーナーの希望価格は20万ユーロ。今の高騰した相場で売ろうと思ったのだろう。いくらなら買いますかと聞かれたが、10万ユーロでもほしくはない。オーナーは道をなおすより、車を修理するべきだった。5万ユーロといわれれば買ってレストアしようかとも考えたがさすがに20万ユーロで売ろうとしている方には言えず。

塗装には1年もかかるだろうし、他に悪いところが出てくる可能性もある。また1年後の相場はどうなっているかもわからない。酷い塗装をされた上、長い間メンテナンスをしていない車は本当に悲惨な状態になっている。こんな車を写真だけで購入するとまさに悲劇です。
700数台しか存在しないファイバーグラスの308は貴重ではあるが、これならコンディションの良いスチールボディの308を購入した方がはるかにいい。発表から40年も経過した308はまさに玉石混淆です。
親身に相談にのってくれたメカニックにいいものがあれば是非譲ってほしいので探して欲しいとお願いしたら1週間前にブルーシルバーの308gt4を頼まれて売ったとのこと。残念!!!
しかし今回は彼に会えたことが大きな収穫かもしれない。シルバーで黒のモケットの内装の208gt4のオーナーが売るかもしれないというので連絡をとりあうことを約束してローマに戻ることにした。
よいものはすぐに売れてしまうというのは万国共通。特に308はGTB,GTSにしてもgt4でもあっという間に次のオーナーが決まってしまう。イタリアで本当にコンディションの良いものに出会うことは実に少なくなってきた。

  by cavallino-cars | 2015-04-20 18:38 | Comments(0)

完璧な308など存在しない?

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百台以上もの308を見てきた。良いものを知れば知るほど、イタリアでも欲しいと思えるものは少なくなってきた。
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出来るだけオリジナルのものが欲しい。
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40年以上前に作られた車にどこまでオリジナルを求めるか。
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ローマに住むイタリア人の従兄弟は一緒に車を見に行くたびに、私がここが気に入らないというとクラランタアンニ(40年)前の車だよといつも言われる。
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選ぶ時の基準は何だろう。この車を一生持ち続けられるかとふと考える。塗装にはオリジナルは求めない。オリジナルペイントで美しいものなど現存するはずはないとはなから思っている。しかしながら再塗装の状態を見れば、前のオーナーがどのように扱ってきたかのバロメーターにはなる。チェックするのはその塗装のクオリティだ。
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こだわりは内装、カーペット、
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メーター、
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ドアの内側につく小さなライト、
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左右フェンダーにつくシグナルライトや、
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各部の隙間の間隔などに及ぶ。細かいチェックポイントは数え上げればきりがない。
ドライブフィールも気をつかう。308の最大の魅力はV8エンジンだ。エンジンから異音がしたり、ミッションもシフトダウンでギヤ鳴りがするものやうまく入らないものは100万円単位の整備費を覚悟しなければならないので注意しなければならない。
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幸い308はまだ246Dino のように5000万円もの市場価格がついていないため、フルレストアしたものはほとんど存在しない。
246の中にはレストア前の状態がサイパンに何十年も放置された戦車のように朽ち果てそうなものもある。
美しい外装からは想像もつかないレストア前の姿を見たら購入意欲が一気に失せるだろう。
246Dinoのシートベルトがバックル式の現代のものに交換されているものは以前の状態がわからないので私は買わない。
なぜ交換せざるを得なかったか、不思議と思いませんか?
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308 はシートベルトを交換しているものは、特別な理由がない場合以外は購入しない。
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他にも、gt4にドライサンプのエンジンが載っていたり、
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欧州仕様のGTBのエンジンがツインデスビだったりするようなものには決して手を出さない。
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シートが当時のものではなくインジェクションになってからのものに交換されているものも買わない。

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当時のオリジナルをたもっているからこそ、価値があるし、安心もできる。308にセンターキャップの3ピースのホィールをつけているものはそれだけで購入意欲はなくなる。これはオーナーの美意識の問題なので元にもどせるものなら購入する場合もある。
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クラシックフェラーリのオーナーになるということはその歴史をひきつぐこと。そういう意味で価値のあるもののみを選ぶことが大切なのです。
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購入してからのトラブルはオーナーの自己責任。私は長年の経験から知りえた知識をもとに出来るだけオリジナルの部分の多い車をご紹介するだけ。
もちろん事前に整備は行うが40年近くも経過した車は予測のつかないトラブルも起こる。
クラシックのある生活は楽しいが、その素晴らしさを維持することもカーライフのひとつと考えられる方のみの大人の趣味の世界なのです。美しいものを維持するには費用がかかるのは当然。

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その原因にもよるが、トラブルで車が止まってしまって、ディーラーに騙されたとか、憤慨するような人には308はお勧めしません。今や2億円以上するルッソなども同様です。トラブルのない車を望むなら新車を買うことです。
しかし新車のフェラーリは別。F12 や458 はひと月エンジンをかけなければバッテリーが上がり、車庫から出せなくなりますし、先日納車したばかりのF12 はセンサーの不具合でエンジンが2000回転以上まわらなくなり、高速道の路肩で止まりました。
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私は40年前のフェラーリを全開でとばせるようにしてお渡ししますが、後はオーナーの責任で管理していただくしかありません。運転しながら常に水温計や油温計、油圧計などを見ることは最低限必要でしょう。Gのマークのある警告灯にも注意が必要です。低回転でうっすらと点灯するようであればオルタネーターが十分に発電していない可能性があります。常に車の状態を確認しながら走らせることがドライバーには求められます。それによってトラブルは未然に防げたり、大きなトラブルになることをさけることができます。
ネットを検索すると308オーナーのトラブルの話がやまほどでてきます。しかしそれが原因で手放したという方は少ない。それ以上にオーナーになる悦びがあるからでしょう。

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先週ドイツから譲り受けたGTBを高速にのって工場まで自走した。
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レーシーなハンドリングや、F106 と呼ばれるV8エンジンの奏でる乾いたサウンドはいつ乗っても魅了される。458やマクラーレンも素晴らしいが、それとは異なる良さがあります。
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しかも同じコンディションの車はありません。今回輸入したブルーにクリームの内装の308はどんなに捜してもすぐには出てこない。1年後、5年後になるか全く予想は不可能です。その意味でいいものに出会った時は迷わず買うことをお勧めします。これは私がイタリアに買い付けに行く時も同じ。
クラシックカーは本当に一期一会の世界です。だからこそ価格も上昇しているのでしょう。
これからも出来るだけオリジナルに近い、良いものだけを日本の皆様に紹介していきたいと思います。

  by cavallino-cars | 2015-04-20 15:39 | Comments(0)

328が3500万円??

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中古車検索したら新車未登録の328GTBが国内で売り出されていた。
いくらなのか問い合わせをしてみた。
なんと3500万円なり。そう考えると308の2000万円という価格がバーゲンプライス?に思えてくる。
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他に何台も広告にのっているGTBの価格はすべて応談。
調べたところ1300万から1800万円。
価格の高騰は308だけではなかったのです。昨年まで600万円ほどで売買されていた328GTSは今やすでに2倍の価格。ちなみにイタリアでの328の価格は7万から10万ユーロ。日本円にすると890万円から1270万円。こちらも高騰。

308のイタリアでの現在の価格は12万ユーロから15万ユーロ。328に比べ5万ユーロほど高い。
日本円にして640万円ほど高いことになる。ファイバーグラスは別格で20万ユーロ。さすがにここまで高騰するとすぐには売れないようで特に高いものは2ヶ月以上広告にでているものもある。512TRも値上がりしてきている。日本での価格は1500万から2000万円。

過去に328はもちろん512TRも乗ってきた。テスタロッサから格段に進化したブレーキを装備されたTRは安心してとばせるようにはなったが、今運転するとさすがに古さを感じる。
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308のアクセルを全開に踏み込んだ時のむせび泣くようなエンジン音や、ブレーキングしながらコーナーに進入する時のワクワクするような興奮は別格だ。

308が実にコントローラブルなのに対し、512TR はトルクフルな水平対向エンジンの加速は圧巻だが、その重さゆえにコーナリングスピードも低く、テールがスライドした時はコントロールするのが難しい。一方328はバランスはよいが、そのアクセルレスポンスが308に比べると緩慢に感じてしまう。

512TTRはあの12気筒のサウンドに惹かれても重いボディゆえの応答性の悪さが気になる。スポーツカーというより、GT に近いのだ。

328といえばモダンで乗りやすくなってはいるが、308のようなアクセルを踏む右足に即座に反応するシャープなレスポンスに欠ける。
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キャブレターの車でしか味わえない間髪いれぬ加速とあの管楽器のような独特なサウンドは一度体験してしまうとインジェクションの車には戻れないほど魅力的なのだ。

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GTBターボに関しては、328とは比べようもないF40のような爆発的加速が楽しめるという点で上記の2台よりは面白いが、
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スポーツカーを運転する悦びと内外装のエレガントさでは308にはかなわない。
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インジェクションの車のようにキーを回せば誰でもエンジンが始動できるのと異なり、それなりのかけ方のこつがあるのも趣味の車としては好ましい。さらに加えればコンピューターを使用ているインジェクションの車はECUが壊れてしまえば修理不能になってしまうがキャブレターの車はメカニカル的に修理が簡単で今後何十年も乗ることができるというメリットもある。

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レースを経験したからこそかもしれないが、アクセルコントロールでノーズの向きを変え、コーナーを抜ける快感はまさにスポーツカーを運転しているという実感がある。それが40年前に作られたベルリネッタで出来るということもキャブの308の最大の魅力かもしれない。

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512TRや328の造形の美しさは誰も異論を唱えるものはいないだろう。
今や小排気量のエンジンにターボをつけざるをえないような規制に加え、きびしくなった安全基準をクリアするためにボディの形状までデザイナーの思うような車は出来なくなってしまった。
その意味ではどれもが古き良き時代のフェラーリであることは間違いない。
しかし思いっきりとばした時に叫びたくなるような衝動にかられるのは308だけだ。

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コックピットから降りる時に思わず笑みがこぼれてしまう。そんなスポーツカーこそ生涯をともに過ごすのにふさわしい1台と考える。
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この車に乗るたびに歴史あるイタリアの美しい風景が重なってしまう。
マラネロの古いゲートから出荷された手作りの時代のフェラーリにはノスタルジーをも感じる。
今乗っても速く、快適で、美しく、胸踊る車は少ない。
308 はデビューして40年も経過しても、今なお私を魅了し続けている。

  by cavallino-cars | 2015-04-14 00:46 | Comments(1)

15キロのランデブー

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ドイツのハンブルグ港から船に積まれた308GTB が無事東京港に到着し、今朝、通関がきれた。
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chassis#FERRARI F106AB22869。この美しいGTBはイタリアのパドバにあるカロッツェリアでオリジナルカラーのBlue sera に再塗装され、ドイツに輸出された。
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現地で初めて見た時のあまりの美しさに感動し、パドバの塗装工場を訪ねてみた。
そこは想像を超えるブースが8つもあるモダンな工場で、フェラーリはもちろん、ミケロットなどの特別な車も何台も入庫している近代的な施設だった。
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床はすべてメッシュでその下には水が流れ、埃ひとつない環境で作業がされる。
コストは3万から4万ユーロ。ざっと390万から520万円。
パッと見ただけでその違いがわかるほどピニンファリーナのラインの美しさが強調されている。紺という色のせいか車がひとまわりコンパクトに見える。
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青海の倉庫に到着すると308はすでにコンテナからだされていた。
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フロントフードの下にあるキルスイッチをオンにして、コックピットに座り、少し長めのクランキングの後、V8 ユニットは目を覚ます。安定したアイドリングは現地でエンジンをかけた時のまま。
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港のある台場からショールームまでの15キロのランデブーは言葉にならない。
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ヨーロッパから初めて日本の道を走らせる時はいつも感慨深い。
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アクセルを全開にするたびにヨーロッパでも出会うことの少なくなった、状態のよい308を日本に輸入できた悦びと、
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コーナーをクリアするたびに胸躍る高揚感につつまれる。
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クイックなハンドリング、即座に反応するアクセルレスポンス、乾いたフェラーリ独特のエキゾーストノート、それに何時間見ていてもあきることのない美しいボディ。
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このまま自分のガレージにそっとしまっておきたい衝動にかられてしまう。

何十台もの308を見てきた私も心奪われた1台だ。

  by cavallino-cars | 2015-04-10 15:45 | Comments(3)

もう1台のGTB

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3月28日の土曜日は快晴。
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10年ぶりにバチカンに行きました。
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何度来ても、その荘厳さは圧巻で、建物の美しさに感動します。
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フェラーリにはこのような彫刻を作った民族のDNAが引き継がれている。

午後にリボルノから少し南下した街にある個人オーナーの77年モデルの308を見に向かいます。
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ローマからは片道2時間ほど。
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全体の印象はペルージャのものよりはるかにいい。一言で表現するのはむずかしいがフロントからリヤにつながるボディラインもくっきりしており、内装もバリッとしている。
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マフラーも変色は少なく、おそらく走行距離は45000kmというメーターも信憑性がある。
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最近、いい車はパッと見ただけでわかるようになってきた。細かいチェックをしてもほとんどの場合、その第一印象は変わらない。
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オリジナルと異なるのはシートが張りかえられているのと、フットマットがオリジナルでないことくらいだろう。
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気になるところは運転席側のパワーウインドウが故障した際に使用するエマージェンシー用のレバーをいれる穴をかくす、キャップが欠損しているくらいだ。
これは後々、ゆっくり探せばみつけることが出来るパーツ。シートも前回伺ったパビアの内装工場に頼めば、オリジナルのレザーに張り替えることも可能だ。
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エンジンフード裏のトランクルームの上になる部分にもオリジナルのカーペットが貼られているのもいい。
ジャッキや工具も純正がそろう。
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メーターはファイバーモデルと同じダブルレターのものがつき、
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フロントのスペアタイヤはカバーの下に納まる初期型だ。
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シガレットライターは穴にタバコを差し込むタイプ。丸いリングを下に押し下げると奥の部分の熱線が熱くなり、タバコに火がつく。このような細かな作りも初期モデルならでは。随所に惜しみなくデザイナーのこだわりが感じられます。
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ウインドウ回りのウエザーストリップのゴム部分も角がきれているものがほとんどなのに対し、
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きちんと写真のようにオリジナルを保っているのもいい。
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エアクリーナーのラバーブーツを固定する銅色のバンドも当時のオリジナル。当時のものが2つとも揃っているのは非常に少ない。取り外すのにレバーを使用してバンドを緩め、取り付ける時の再び締めるのが面倒なため、メカニックは一つを外しっぱなしにしている場合が多いからだ。
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何年も乗っていないのでタイミングベルトはもちろん、各ホース関係はすべて交換が必要。
これは購入してからゆっくり行えばいい。大切なのは良いベース車両を見つけること。オリジナル度の高いこのような固体さえ手に入れることが出来れば自分だけの最高の1台にすることは可能なのだ。
現在オーナーと交渉中。運がよければ6月には日本にやってくるはずだ。

  by cavallino-cars | 2015-04-10 13:09 | Comments(0)

Brussels のファイバーグラスとペルージャの308

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フィオラバンテ氏の308と同じカラーリングのファイバーグラスがベルギーの個人オーナーから売りにだされた。
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興味があり、オーナーとコンタクトをとった。
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価格は現地で3055万円。もともとは英国のディーラーの広報用の車で走行は23000マイル。登録は1975年5月。
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ナンバープレートはNPA900P。
以前見たような記憶があり、過去の写真を見ていたらなんと2009年7月に私が英国で実際に乗ってきた来た車そのものだった。下の写真は2009年7月に英国で撮影したもの。
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当時はまだ今のように価格は高騰しておらず、担当者はテストドライブに行ってきたらと私にポンとキーを渡し、一人で英国のカントリーロードを走った想い出がある。
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プロトタイプのような車で天井の内張りは一枚ものではなくスリットが入り、
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フロントグリルはボディからとびだし、
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バルクヘッド中央のストッパーの左のレザーがきちんと納まっていなかった。
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リヤのトランクはテールライトのカバーもない状態で、エンジンは調子は良かったが、メーカーが試乗車としてディーラーにデリバリしたものとしてはお粗末すぎて、購入をやめたのだった。
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あれから6年。4倍以上の価格になったが、高ければいいと判断するのは大きな間違いだろう。
それにしてもこの8年間で何十台もの308を見てきたが、実際に見ると、送られてきた写真だけではわからないことが多くある。写真だけで購入を決めてしまえるようなものも中にはあるかもしれないが、私の経験では1台もない。
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先月末、ペルージャにある3オーナーのGTBを見に行ってきた。
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2ndオーナーが70歳をこえたのを機に、息子に譲ったのだが、その方がニューヨークに弁護士になるために行くことになり手放すのだという。
小雨の降るペルージャのフェラーリディーラーのショールームにその車はあった。
パッと見はきれいな車だったが、気になる点がいくつかあった。
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ガソリンキャップのカバーの三角形のルーバーが開けるたびにフレームにあたるほどガタがある。
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助手席側の後ろのバルクヘッドのリアクオーターウインドウの中のレザーが縮んでか、きちんと納まっていないのか隙間ができている。
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本来のりでしっかり付いているはずのシートベルトアンカーまわりのカーぺットがはがれている。
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シートは塗られているのがひと目みてはっきりわかるほど、パテがどっさり傷をかくすためにぬられている。その質感はオリジナルとは異なる。
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左右のドアのヒンジ手前につくドアを開けると点灯するドアライトスイッチの左がオリジナルでないものがつく。
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この写真の白いノブがオリジナル。さらに左右ともそのパネルには傷がつく。
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キーシリンダーのまわりにつく丸いリングも欠損している。
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本来はこのようなリングが装着される。
メインテナンスは今年の1月にタイミングベルトを交換しており、きちんとされているが、
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ガソリンキャップのカバーのガタが最後まで気になって3時間ほどまよったあげく、購入を断念した。上の部分が本来は平らなのに対し、でているのがわかりますか?このように一つ気になるところがあると、見れば見るほど、気になる点がでてきます。
おそらく経験上、このような車は日本に持ち帰ればさらに気になる点がでてくるのです。
以前のような価格であれば気軽に、購入していたものも、価格が高騰した今はなおさら購入に慎重になる。
その問題点が今までみたこともない今回のような場合は、まずよほど問題ないと確信がない限り躊躇してしまうのです。
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私にとっては何十台もの中の1台だが、これから購入されようとする方にとっては自分だけの大切な1台となる車。40年近くも前に作られた車なのだからすべてがオリジナルであることは望まないが、譲れない点はいくつかある。その中で私がいいと思えるものだけを日本に持ち帰るポリシーは今も昔も変わらない。

  by cavallino-cars | 2015-04-03 18:42 | Comments(0)

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