308の魅力


a0129711_13382004.jpg


モーターファン別冊フェラーリ308のすべてを読んだ。
私がもっとも興味があるのが試乗記。
a0129711_13461364.jpg

今回は沢村慎太朗氏。

峠あたりでしごいてみると、所謂ボディ剛性がおおいに欠如していることが判る。
小さいのに重い。硬そうなのに軟らかい。それが308GTBの車体だ。
そのシャーシ性能を何とか躾けながら、アクセルをこれでもかと踏んでみると別の世界が開ける。
初期型308GTBや328GTBは完調ならば250kmを超えて加速できる。
自分の328GTSは矢田部で270kmでた。
シャーシ性能は少々古臭くても、突進ならまけねえぞ。そうフェラーリが胸を張るのが目に浮かぶようだ。
エンジンは下では線が細くて、でも回すほどパワーがでてきた6500回転でそれが炸裂感に変わる。
ポルシェ911のオーナーはいかに車が素晴らしくて、速いかを語る。
フェラーリ乗りは速えのはクルマじゃねぇ。速えのは俺だ。
決して機械として優秀とは評価できない308GTBを駆る者は必ずこのスピリットを持たねばならない。
そうやって言い切れるようになった時308は特異なその個性を貴方に美味として味あわせてくれるだろう。
とまぁなんとも理解しがたいインプレッション。
test car があまりにひどいコンディションだったのかもしれない。

レースを経験して私のドライビングは劇的に変化した。

私にとっての車の楽しさは最高速が何キロでるとかそういうことではない。
コーナリング中のコントロールのしやすさやハンドリング、ブレーキ性能、エンジン特性などがメイン。
キャブの308の魅力は何と言っても
a0129711_13484587.jpg

右足の踏み加減で即座に反応するレスポンスの良さだ。これは76年から80年までのヨーロッパ仕様のみ。
残念ながら北米仕様や日本仕様のものでは味わえない。

この素晴らしさはサーキットを走った経験のない方でも確実にわかる。
a0129711_14025929.jpg

一度でもこのキャブ独特の加速とあの甘美なサウンドを味わってしまうとすさまじく速いモダンフェラーリが味気なく思えてしまう。
308を運転していると当時のラウダやビルヌーブの息吹が聞こえるようだ。
a0129711_13561508.jpg


ボディ剛性はGTBにいたっては今のモダンカーと比べてもスポーツカーと呼ぶにふさわしい。
シャーシや足回りは今乗っても十分にエキサイティングだ。
アクセルはこれでもかと踏まずとも、キャブ独特の繊細さで足の動きにリニアに反応する。
特にコーナリング中のアクセルコントロールでノーズの向きを変える楽しさは308ならではだろう。

以下は先日308のファイバーボディを納車させていただいたオーナーからのインプレッションレポート。

a0129711_13501719.jpg

クラッチミートをした瞬間の動きが実にリニアで右足の動きにそくざに反応します。
ドライバーとエンジンの一体感が素晴らしい。
ハンドリングはステアリングではなく、アクセルのON,OFFでリズミカルな動きをします。
軽い車重と超絶レスポンスのエンジンならではのドライブフィールです。
仕上げは背中から聞こえてくる乾いた排気音とキィーンという金属音です。
a0129711_13553760.jpg

a0129711_13552095.jpg

当時のF1パイロットを身近に感じるような痛快極まりない、中毒性のある車です。

これほどこの車の素晴らしさをいいあてているインプレッションはないだろう。

a0129711_14250830.jpg

かつてジャッキースチアートはF1はハンドルで曲がるのではなく、アクセルでまわるものだと言っていた。
その言葉のとうり、308はGTBはもちろんgt4でもコーナーでスロットルを緩めただけでノーズはスッとインにはいり、コーナーをクリアしていく。
残念ながら現代のたくさんのデバイスのついた430や488ではこの楽しさを味わえるのは、サーキットのみだろう。
首都高速や箱根ではレース経験豊富なドライバーでも車の限界が高すぎるためアクセルワークでコーナリングするような速度でコーナーに進入することは非常に難しい。

この308の応答性の素晴らしさはダブルウィッシュボーンの足回りと強固なフレームの恩恵だ。
それにスムーズかつ、パワフルで右足のわずかな動きにも反応するフェラーリV8エンジンが加わるだからたまらない。

沢村氏が911との比較をしているので私からも一言。
当時の911は原則アンダーステアをだすような運転は厳禁。
特にタイヤの摩耗した車や硬化した車はノーズが膨らみはじめたらスピンする可能性が極端に高い。
スキッドパッド(路面を水で濡らしたコース)での定常円旋回で308は簡単にカウンターをあてつつアクセルワークで何回転もできるが、テールヘビーの911は非常に難しく、少しでもカウンターが遅れるとスピンしてしまう。
ミッドシップならではのコントロール性の良さも308の大きな魅力なのだ。

a0129711_1135864.jpg

オーナーのインプレッションは
乗り終えて、眺めているそばからまた乗りたくなってしまうとむすばれている。

a0129711_13593473.jpg

40年以上も前にマラネロから作られた308は今なお美しく、見る者を魅了する。
a0129711_14094957.jpg

運転する楽しさはモダンカーをもしのぐものがある。
それこそが308の最大の魅力にちがいない。


  by cavallino-cars | 2017-10-07 14:13 | Comments(6)

Commented by フェラーリ好き at 2017-10-07 14:39 x
いつも興味深く拝見させていただいてます
元308オーナーです。
今は5MTの8気筒と12気筒モデルの両方に乗っております。

スキッドパッド(路面を水で濡らしたコース)での定常円旋回で308は簡単にカウンターをあてつつアクセルワークで何回転もできるが…

とありますが、いわゆるドリフト走行ですよね。
そういう動画でも見ないことには、
308でホントにそんな走り方ができるのか?と、
どうも信じられません。
Commented by cavallino-cars at 2017-10-07 23:40
コメントありがとうございます。ミッドシップの車は308に限らず、328や348まではコントロールは簡単にできます。最近のフェラーリでも変わらないでしょう。ポルシェは最近のモデルはコントローラブルですが、私の経験した92年のポルシェRSは非常に難しかったことを憶えています。あくまで水がまかれたミューの低い路面での旋回です。ドライの路面では経験がないですが理論的には同じと考えられますね。
Commented by yodhifs at 2017-10-10 07:22 x
こんにちは。
欧州仕様でなければレスポンスが良くないとのことですが、キャブ車だったらセッティング次第でアメリカ仕様も欧州仕様も同じ性能になるのではないでしょうか?
いかがですか。
Commented by cavallino-cars at 2017-10-12 23:37
不可能です。
Commented by 元308 at 2017-10-18 23:01 x
排ガス装置を全て外してカムをEUカムに付け替えればかなり変わらないとおもう
Commented by cavallino-cars at 2017-10-23 23:17
以前400万円以上かけてヨーロッパ仕様に変えた308に乗りましたが、オリジナルのUS仕様よりは速くなってはいましたが、欧州仕様には劣ります。
もしアメリカ仕様で、ヨーロッパ仕様と同じポテンシャルになった車両があれば乗ってみたいです。しかし今ではオリジナルのボディパーツやマフラー、エンジンパーツなども入手不可能なので、現実的には難しいでしょう。

<< new shock に交換すべき!! trieste の28,000... >>

SEM SKIN - DESIGN by SEM EXE