モデナでの収穫は今回はゼロ。Fiorano の裏のリストランテモンタナで美味しいバルサミコのリゾットでも食べて気分転換しようと思ったが、本日ランチはフェラーリのスタッフで貸切。
仕方なくツーリストの多いリストランテキャバリノでランチ。11時50分に入ったが12過ぎにはほぼ満席。12時半にはもう入れない人が外で待っているほどの盛況ぶり。
パスタを食べて早々にエミリアロマーナ州のラベンナ県にあるファエンツアに向かいます。
ファエンツアは陶器で有名な街。ここはポポロ広場。
ローマのそれとはずいぶん違いますが、のどかなイタリアのピアッツアという感じで歴史を感じる広場です。目的地には2時半には到着。
ガレージで待っていたのは89年の1オーナーのGTBターボ。
今回の出張で見た中でもっとも美しいエクステリアで塗装もほとんどオリジナルの溶けるような赤の美しさだ。
走行距離は7万キロ。
給油口のラバーもAuto Luce の3万キロのものに比べ新品のような状態。ボディには凹みも傷もまったくない。
インテリアはダッシュのみが当時のオプションのレザーがはられる。
もちろんフロントウインドウ、左右の窓、三角窓、リアクォーターの窓には車台番号が打刻されたオリジナルが装着されている。
スペアタイアのホィールは傷がついているものが多いがこの固体はご覧のようにきれいなままだ。
リヤクオーターウインドウの中のバルクヘッドには水が染みこんであとや傷はまったくない。
89年の1月13日にミラノの正規ディーラーのCrepardi Auto から納車されたままの状態だ。
今年78歳になるオーナーに大切にされてきたからに違いない。
ちなみにリアパネルのGTBturbo のエンブレムの位置はここがオリジナル。塗りなおしたものは位置が違っていったり、ないものもある。
以前ボローニャのGTBターボをローマに住む従兄弟に見入ってもらった時に位置が違っていて買うのをやめたことがあった。上の写真はその車のもの。しかもGTBのエンブレムは現在欠品中。入手が難しいという理由もあるが、何があったかわからない車は出来るだけ避けたい。軽い傷の修理にしろ、もとの位置にもどさない板金工場にだしていたというだけで不安は残る。
さらにこの車が安心なのは
2001年、
4年、6年、7年、8年、10年、11年、12年、14年の正規ディーラーでの整備記録が残っており、2015年9月にはタイミングベルト交換を含む整備がされていることだ。
新車時の保証書はもちろん、取り扱い説明書やブックレットまで揃う。純正の工具もすべて揃っている。
エンジンをかけてバルブシールやピストンリングからオイルを吸って白煙がでていないかを確認。
5キロほどのランデブーにでかけた。あの蹴飛ばされるような加速、クイックなハンドリング、ギヤのシンクロなどを確認しつつ、20分ほどの試乗を終える頃にはもうこの車を買うことを決めていた。
それにしてもいいものはパッとみただけでわかるのはなぜだろう。
オリジナルだけの持つオーラのようなものがあるのだろうか。
帰国したらクネオとファエンツアへのトラックの手配をしよう。
イタリアで30年以上過ごしてきたこの2台が日本に来ると思うと今からわくわくしてしまう。また美しい2台のフェラーリがやってくる。