engine 調整

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フィレンツェから譲り受けた308gt4の日本でのオーナーが近くのメカニックにエンジン調整をしてもらった後、パン、パンとバックファイアが酷くなったのでみて欲しいとのことで入庫した。
キャブ調整をして一時は良くなったが、その後すぐにオーバーヒートとバックギヤに入りずらくなり、再入庫。オーバーヒートの原因はウォーターホースのクラックと電動ファンのサーモスイッチの不良によるもので解決。リバースギヤはクラッチの寿命とクラッチワイヤの交換でこちらも解決。

問題はバックファイアが鳴り止まないエンジン。
デスキャップとプラグコードからも電流がリークしているので新しいものに交換したが、なおらない。

デスビを分解したら内部のパーツがトランク側のものは交換してあるが、反対側のものはいっさい交換されておらず、本来の動きをしていなかったことがわかった。
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本来スプリングで2つのシルバーのボールが外枠に写真のようについていなければならない。
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ローターの回転速度が高まると下のレバーが動き、接点のスピードが速くなるしくみ。
しかし上の写真のようにスプリングは全く機能しておらず、レバーが固着して動かないために点火時期がくるってバックファイアが酷かったのだ。
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アームも接点が焼けて減っていたので新しいものに交換。
テストしてみると今までとは比べられないほど火花がとぶようになった。
もちろん点火時期もピストンが最も上にくる上死点より10度手前に左右とも設定できた。
ライトで照らしてもしっかり同調しているのが確認できる。初期型のgt4はデスビが2つあるタイプなので左右それぞれ確認する必要がある。

キャブもフロートとフロートにつくレバーと連動してガソリンを流入させたり止めるためのフロートバルブは新しいものがついていたが、フロート室のガソリンの液面が5mmほど規定値よりも低かったため、調整。

フロート室のガソリンの量がすくなかったのもバックファイアの原因のひとつだろう。
低すぎるとコーナーでガソリンが燃焼室に十分にいかなくなったり、アクセルを急に戻した時に供給量が間に合わないことも考えられる。
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メーカーによる規定値は上から48mm。
4つのフロート室の油面をすべて規定の値に調整した。

テスト走行の結果は一般道でもあきらかに良好。ミスファイアもなくなり、本来の調子を取り戻す。
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圧巻なのは高速道路でのテストで、3000回転から上の加速は今までとは30馬力以上アップした感じで、力強く一気に6500回転までまわる。そのトルク感はこの車が1977年製であることが信じられないほどぐいぐいと1300kgのボディを加速させていくのだ。まるでエンジンをオーバーホールしたかのようなパワーで、少しパワー不足かなと思われる308オーナーは一度電気系のオーバーホールをしてはいかがだろうか。
それほどドラスティックにレスポンスが向上した。

ちなみに今回調整を担当してくださったのは元F1のメカニックでキャブレターを知り尽くしたベテラン。
私が最も信頼する方で、この方がいてくれるおかげで安心してクラシックフェラーリを販売できる。
こういう方がいなければ、この手の車の楽しさは半減してしまうだろう。
高速での息を呑むような加速は信じられないほどで、近い将来、自分の308の電気系もレストアしたいと思えるほど。

当時のメカニックとドライバーはコーナーでエンジンが息つぎするというと、フロートのレベルを上げたり、低速コーナーでアンダーが強ければ、リアの車高を少しだけあげ、キャンバーの角度を少しだけ大きくするなど相談しながらレースをしていた。
そんな関係が自分とメカニックの間に出来たらどんなに心強いだろう。
クラシックカーを所有されている方は必ずそういったメカがいるはず。信頼できるメカニックほどこの手の車を乗る人には欠かせません。

今回は同じ症状でお悩みの方の参考になればと思い寄稿しました。
308には今の車にはない楽しさ?や魅力に溢れている。

  by cavallino-cars | 2015-06-11 17:58 | Comments(0)

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