328が3500万円??

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中古車検索したら新車未登録の328GTBが国内で売り出されていた。
いくらなのか問い合わせをしてみた。
なんと3500万円なり。そう考えると308の2000万円という価格がバーゲンプライス?に思えてくる。
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他に何台も広告にのっているGTBの価格はすべて応談。
調べたところ1300万から1800万円。
価格の高騰は308だけではなかったのです。昨年まで600万円ほどで売買されていた328GTSは今やすでに2倍の価格。ちなみにイタリアでの328の価格は7万から10万ユーロ。日本円にすると890万円から1270万円。こちらも高騰。

308のイタリアでの現在の価格は12万ユーロから15万ユーロ。328に比べ5万ユーロほど高い。
日本円にして640万円ほど高いことになる。ファイバーグラスは別格で20万ユーロ。さすがにここまで高騰するとすぐには売れないようで特に高いものは2ヶ月以上広告にでているものもある。512TRも値上がりしてきている。日本での価格は1500万から2000万円。

過去に328はもちろん512TRも乗ってきた。テスタロッサから格段に進化したブレーキを装備されたTRは安心してとばせるようにはなったが、今運転するとさすがに古さを感じる。
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308のアクセルを全開に踏み込んだ時のむせび泣くようなエンジン音や、ブレーキングしながらコーナーに進入する時のワクワクするような興奮は別格だ。

308が実にコントローラブルなのに対し、512TR はトルクフルな水平対向エンジンの加速は圧巻だが、その重さゆえにコーナリングスピードも低く、テールがスライドした時はコントロールするのが難しい。一方328はバランスはよいが、そのアクセルレスポンスが308に比べると緩慢に感じてしまう。

512TTRはあの12気筒のサウンドに惹かれても重いボディゆえの応答性の悪さが気になる。スポーツカーというより、GT に近いのだ。

328といえばモダンで乗りやすくなってはいるが、308のようなアクセルを踏む右足に即座に反応するシャープなレスポンスに欠ける。
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キャブレターの車でしか味わえない間髪いれぬ加速とあの管楽器のような独特なサウンドは一度体験してしまうとインジェクションの車には戻れないほど魅力的なのだ。

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GTBターボに関しては、328とは比べようもないF40のような爆発的加速が楽しめるという点で上記の2台よりは面白いが、
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スポーツカーを運転する悦びと内外装のエレガントさでは308にはかなわない。
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インジェクションの車のようにキーを回せば誰でもエンジンが始動できるのと異なり、それなりのかけ方のこつがあるのも趣味の車としては好ましい。さらに加えればコンピューターを使用ているインジェクションの車はECUが壊れてしまえば修理不能になってしまうがキャブレターの車はメカニカル的に修理が簡単で今後何十年も乗ることができるというメリットもある。

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レースを経験したからこそかもしれないが、アクセルコントロールでノーズの向きを変え、コーナーを抜ける快感はまさにスポーツカーを運転しているという実感がある。それが40年前に作られたベルリネッタで出来るということもキャブの308の最大の魅力かもしれない。

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512TRや328の造形の美しさは誰も異論を唱えるものはいないだろう。
今や小排気量のエンジンにターボをつけざるをえないような規制に加え、きびしくなった安全基準をクリアするためにボディの形状までデザイナーの思うような車は出来なくなってしまった。
その意味ではどれもが古き良き時代のフェラーリであることは間違いない。
しかし思いっきりとばした時に叫びたくなるような衝動にかられるのは308だけだ。

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コックピットから降りる時に思わず笑みがこぼれてしまう。そんなスポーツカーこそ生涯をともに過ごすのにふさわしい1台と考える。
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この車に乗るたびに歴史あるイタリアの美しい風景が重なってしまう。
マラネロの古いゲートから出荷された手作りの時代のフェラーリにはノスタルジーをも感じる。
今乗っても速く、快適で、美しく、胸踊る車は少ない。
308 はデビューして40年も経過しても、今なお私を魅了し続けている。

  by cavallino-cars | 2015-04-14 00:46 | Comments(1)

Commented by 岩槻のTT at 2015-04-14 02:37 x
現地でのGTBターボの価格も328にぼちぼち追いついてきましたね。そのうち逆転するでしょう。個人的にはあの魅力は知る人ぞ知る、というままでいて欲しくもありますが…
そういえば中国向けにV6ターボでDINOの名が復活するなんて噂が出てきました。これも時代の流れでしょうか。
モンテゼーモロ以前と以後でフェラーリははっきりと変わりましたが、現在の308・328あたりの高騰は、現在の”大企業”フェラーリへのささやかな反旗への萌芽なのかもしれません。

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